日経平均の予想: <081021>日経平均の今後の見通し

Tuesday, October 21, 2008

<081021>日経平均の今後の見通し

[市況]
20日のNYSEとNASDAQが大幅上昇したことを受けて、日経平均先物は前日比230円高で寄り付き、前場は一時290円高まで買われましたが、後場中頃にかけて前日比50円高まで下落した後引けにかけて戻し、結局150円高で引けました。日経平均は300円高で出来高は20.8億株と低水準ながら、寄付き前の外人は790万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラス幅が拡大し、個別銘柄は"買い"が有利な状況です。
20日の米国株式市場ではオランダの金融大手INGが公的資金を受け入れを発表したことなどで、短期金融市場が落ち着きつつあり、朝方から買いが優勢でした。バーナンキFRB議長が議会証言で追加の景気刺激策を肯定する発言から、米景気を下支えするとの見方から幅広い銘柄に買いが入り、株価指数は引け前に上げ幅を広げ高値引けとなりました。
21日の日本市場では、米市場が反発した流れを引き継ぎ、原油の上昇もあり、商社や自動車など主力株中心に幅広く買い戻されました。ただ、主要企業の4-9月期決算発表の本格化を間近に控え、上値追いに慎重な投資家は依然として多く、後場に入ると日経平均は一時伸び悩む場面もありました。

[テクニカル視点]
日経平均は上昇し、75日線、25日線の下に在るものの、9日線を抜き、短期トレンドは"黄信号"となりました。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-64.6%とマイナス幅は縮小し、200日線との乖離率は-28.7%とマイナス幅が縮小しましたが、3つともマイナスですので、中期的トレンドも、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度は1.9ポイントに縮小しましたが、市場は米国よりも日本の方が今後、企業業績の低下が大きいと見ていると解釈できます。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が5.2ポイント下回わるレベルとなり、売られ過ぎ度は若干拡大しました。
NY Dowは、上昇し、75日線、25日線、一目均衡表の雲の下に在りますが、9日線を抜きました。Nasdaqも、75日線、25日線、一目均衡表の雲の下に在りますが9日線を抜きました。米国市場の短期トレンドは"黄信号"となりましたが、中期トレンドは、引き続き"赤信号"です。

[ファンダメンタル視点]
米市場は、銀行間取引金利の低下や追加景気刺激策への期待から上昇しました。しかし、企業破綻懸念を示すCDS指数は高止まりしており、景気の悪化と企業業績の下方修正も続くことが予想され、乱高下はまだ続く可能性があります。ヘッジファンドの解約売りが、下げに繋がるのではとの憶測が払拭されていないことから、短期的に、一段の下落の可能性もあります。さらに、中長期的に見ると、世界景気の減速はますます顕著となり、加えて、不動産価格は下げ止まったとは言えず、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうですので、先安感はまだ残っています。10月中旬から欧米主要銀行の決算が始まりましたが、これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、20日は上昇しました。(10月の年初来安値12.9ドルに対して現在15.1ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-9.3%で、予想PERは12.1、PBRは1.12となりました。

[今後の見通し]
日本市場はNY Dowの上昇率には及びませんでした。その結果、ドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-1.5%(-160円)とマイナスに転換しました。プレミアム値はここ2週間は-450~+50の範囲で動いています。グローバルな視点で見た日経平均の動きである、ドル換算チャートでは、25日線の下に在りますが、9日線を抜き、上昇余地がでてきました。しかしVIX (恐怖指数)は依然として高く、投資家心理はあまり改善していませんので、このまま、すんなり上昇とは考え難いところです、目先の日経平均は三角持合となる可能性が高いと思いますが、もし、10月15日の高値(9601円)を抜けば、25日線までの上昇が期待できるのではないかと思います。


ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。
下のボタンをクリック!

今日の強気・弱気材料はこちら=>今日の強気・弱気材料

注目銘柄、日経平均チャートについてはYS総合研究所HPも参考にしてください