[市況]
16日のNYSEとNASDAQが大幅上昇したこと受けて、日経平均先物は前日比460円高で寄り付き、前場は一時560円高までありましたが、後場はもみ合いでしたが、結局450円高で引けました。出来高は23.0億株と低水準で、寄付き前の外人は1030万株の売り越しながら、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅を縮小しまたが、個別銘柄は"売り"が有利な状況です。
16日の米国株式市場では、鉱工業生産指数が34年ぶりの落ち込みとなったほか、10月景気指数も大幅に悪化。シティグループの四半期決算で与信コストが急増していたことも重しとなり、午前中にNY Dowは380ドル安までありましたが10日に付けた直近安値7882ドルを下回らなかったことや原油の下落が消費関連株の支援材料になったこともあり、次第に買い優勢の展開となりました。
17日の日本市場では、日経平均は朝方こそ高かったものの、戻り待ちの売りに押され、伸び悩みました。世界景気の減速や企業業績への先行き不透明感は根強く、アジアの株式相場が高安まちまちで推移したこともあり、東京市場で来週以降に発表が本格化する主力企業の4-9月期決算の内容を見極めたいとして、積極的な買い手は限られたようです。
[テクニカル視点]
日経平均は上昇したものの、75日線、25日線、9日線の下に在り、短期トレンドは"赤信号"のままです。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-82.9%とマイナス幅は縮小し、200日線との乖離率は-33.7%とマイナス幅が縮小しましたが、3つともマイナスですので、中期的トレンドも、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度は1.2ポイントに縮小しましたが、市場は米国よりも日本の方が今後、企業業績の低下が大きいと見ていると解釈できます。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が7.0ポイント下回わるレベルとなり、売られ過ぎ度は拡大しました。
NY Dowは、上昇したものの、75日線、25日線、、9日線、一目均衡表の雲の下に在ります。Nasdaqも、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の下に在り、米国市場の短期トレンドは"赤信号"で、中期トレンドも、引き続き"赤信号"です。
[ファンダメンタル視点]
米市場は暴落後とあって、大きく戻しましたが、景気指標は悪化、企業決算は対前年比大幅マイナスと景気後退が急ピッチのようです。投資家による現金回帰がレバレッジを利かせて投資していたヘッジファンドの解約売りを誘い、今後も下げに繋がるのではとの憶測も払拭されていないことから、短期的な一段の下落の可能性もあります。中長期的に見ると、世界景気の減速はますます顕著となり、加えて、不動産価格は下げ止まったとは言えず、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうですので、先安感はまだ残っています。10月中旬から欧米主要銀行の決算が始まりましたが、これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、16日は下落しました。(10月の年初来安値12.9ドルに対して現在15.9ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-9.2%で、予想PERは11.6、PBRは1.03となりました。
[今後の見通し]
日本市場は米国市場の上昇率ほどは上がらずに終わりました。その結果、ドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-5.0%(-520円)と大きく売られ過ぎとなりました。グローバルな視点で見た日経平均の動きである、ドル換算チャートでは、25日線、9日線の下に在り、まだ下落基調です。CBOE VIX (恐怖指数)は、一時10月10日を上回りました。市場心理は、悪いままです。変動率が大きな相場ですが、日米指数とも9日線を抜けずにいますので、目先は下落が続く可能性が高いと思われます。
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