日経平均の予想: <081006>日経平均の今後の見通し

Monday, October 06, 2008

<081006>日経平均の今後の見通し

[市況]
3日のNYSEとNASDAQが大幅下落したことを受けて、日経平均先物は前日比180円安で寄り付き、その後も下落が続き、後場にり節目となる10500円を割り込み、結局510円安で引けました。出来高は25.7億株と増加したものの、寄付き前の外人は210万株の売り越しとなり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅を拡大し、個別銘柄は"売り"が有利な状況ですが、安値更新銘柄数は1000を超えましたので売られ過ぎのレベルとなりました。
3日の米国株式市場では、米下院が金融安定化法案の修正案を可決したものの、法案可決への期待から事前にNY Dowは300ドル超上昇しており、法案可決後は材料出尽くし感から売りが出ました。法案に対する実効性への懸念や9月の雇用統計の悪化など最近発表された米経済指標がさえないことから、米景気の先行き悪化懸念もあるようです。
6日の日本市場は、先週末に米株式相場が大幅下落したことや、米雇用統計の悪化などから世界的な景気悪化懸念も意識され、加えて、欧州の金融不安などから円が対ユーロや対ドルで急伸したことも嫌気され、輸出関連株中心に売りが膨らみ4年8ヶ月ぶりの安値となりました。

[テクニカル視点]
日経平均は下落し、75日線、25日線、9日線の下に在り、今日も年初来安値を更新し、短期トレンドは"赤信号"のままです。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-52.4%とマイナス幅は拡大し、200日線との乖離率も-21.7%とマイナス幅が拡大しました。3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度は2.1ポイントに拡大しまし、市場は米国よりも日本の方が今後、企業業績の低下が大きいと見ていると解釈できます。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が3.7ポイント下回わるレベルとなり、売られ過ぎ度は拡大しました。
NY Dowは、下落し、75日線、25日線、、9日線、一目均衡表の雲の下に在り、年初来安値を更新しました。Nasdaqも、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の下に在り、年初来安値を更新しました。米国市場の短期トレンドは"赤信号"で、中期トレンドも、引き続き"赤信号"です。

[ファンダメンタル視点]
日米欧とも経済指標悪化が顕著になり、下院で金融安定化法案が可決されたにも関わらず金融不安は落着かず、株式指数は年初来安値を更新してしまいました。今回の金融安定化法では、根本的な信用収縮対策である銀行の自己資本比率の向上への貢献は限定的と思われ、中長期的に見ると、世界景気の減速はますます顕著となり、加えて、不動産価格は下げ止まったとは言えず、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうですので、先安感はなかなか払拭できません。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。市場の関心は10月中旬の欧米主要銀行の決算に移ると思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、3日は大幅に下落しました。(9月安値14.0ドルに対して現在18.4ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-8.1%で、予想PERは13.1となりました。(ちなみにS&P500の今期増益率は-0.7%でPERは14.2です。)

[今後の見通し]
日本市場は米国市場の下落を先読みして大きく下落し、今日も年初来安値を更新しました。その結果、ドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-4.0%(-450円)と割安度は大幅に拡大しました。グローバルな視点で見た日経平均の動きである、ドル換算チャートでは、25日線、9日線の下に在り、今日も安値を更新して、下落基調が顕著です。より強力な材料が早急に出てこないと、中期的に日経平均の下落基調は今後も続くと考えざるを得ません。しかし、目先は騰落レシオが70以下となり、25日平均乖離率は-12%を下回り、総合乖離率も-50%を下回り、安値更新銘柄数が1000を超えるなど、テクニカル指標が売られ過ぎを示していますので、目先はいつリバウンドしてもおかしくない水準となりました。


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