[市況]
23日のNYSEは上昇、NASDAQは下落したことを受けて、日経平均先物は前日比180円安で寄り付きましたが、前場から下げ続け、後場も下げ幅を広げ、結局830円安で引けました。日経平均は811円安で出来高は26.4億株と高水準で、寄付き前の外人は1350万株の売り越しとなり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅が拡大し、個別銘柄は"売り"が有利な状況です。
23日の米国株式市場ではアマゾンが市場予想を下回る業績見通しを発表。週間の新規失業保険申請件数は市場予想以上に増加するなど悪材料が出たものの、NY Dowは前日までに8%下げていた為、自律反発狙いの買いや、原油の反発に伴う石油株、ダウ・ケミカルやUPSなど決算が予想以上だった銘柄が買われました。日中一時マイナスとなる場面もありましたが、プラスで終了しました。NASDAQはマイナスでした。
24日の日本市場では、下落率は歴代5位となり、2003年4月28日に付けたバブル後安値7607円に急接近しました。先物は安値を更新しました。世界的な景気減速への警戒感が強まるなか、急ピッチな円高が進み、主力の輸出関連株が業績悪化懸念から大幅安となりました。ソニーが大幅安となり、相場全体の地合いが悪化した面もありそうです。
[テクニカル視点]
日経平均は下落し、75日線、25日線、9日線の下に在り、年初来安値を更新しました。短期トレンドは"赤信号"です。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-101.9%とマイナス幅は拡大し、200日線との乖離率は-40.9%とマイナス幅が拡大しました。3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度は2.8ポイントに拡大しました。市場は米国よりも日本の方が今後、企業業績の低下が大きいと見ていると解釈できます。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が10.4ポイント下回わるレベルとなり、売られ過ぎ度は大幅に拡大しました。
NY Dowは、上昇しましたが、75日線、25日線、、9日線、一目均衡表の雲の下に在ります。Nasdaqも、75日線、25日線、、9日線、一目均衡表の雲の下に在ります。米国市場の短期トレンドは"赤信号"となり、中期トレンドも、引き続き"赤信号"です。
[ファンダメンタル視点]
日本市場は、米国市場の落ち着にも関わらず、急な円高により今日も暴落しました。市場テーマは弱小赤字国の通貨危機となってきたようです。これが落着くまでは、信用の投売りや、ヘッジファンドの解約売りを始め、投資家の現金回帰は続くものと思われます。中長期的に見ると、世界景気の減速がいつ収まるかは不透明で、加えて、市場は不動産価格も2010年までは下げが続くと見ているようですので、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうですので、先安感はまだ残っています。10月中旬から欧米主要企業の決算が始まりましたが、これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、23日は下落しました。(10月の年初来安値12.9ドルに対して現在13.1ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-9.1%で、予想PERは10.0、PBRは0.93となりました。
[今後の見通し]
日本市場はNY Dowの上昇にもかかわらず下げました。その結果、ドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-6.3%(-590円)と大きくマイナスに転換しました。プレミアム値はここ2週間は-590~+180の範囲で動いています。グローバルな視点で見た日経平均の動きである、ドル換算チャートでは、25日線、9日線の下に在りますが、年初来安値を更新しました。VIX (恐怖指数)は高止まりしています。米国市場は暴落しなかった結果、政府の追加対策は出てきませんしたので、残念ながらリバウンドはありませんでした。米国市場との連動性はドルをベースに見る必要があります。通貨危機が収まるまでは下落は続きそうです。
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