日経平均の予想: <081001>日経平均の今後の見通し

Wednesday, October 01, 2008

<081001>日経平均の今後の見通し

[市況]
30のNYSEとNASDAQが大幅反発したことを受けて、日経平均先物は前日比190円高で寄り付きましたが、その後は徐々に値を下げ、結局120円高で引けました。出来高は19.4億株と低水準ながら、寄付き前の外人は100万株の買い越しとなり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅を縮小しましたが、個別銘柄は"売り"が有利な状況です。
30日の米国株式市場では、米議会幹部が金融安定化法案のとりまとめに意欲と伝わり、法案の早期成立に対する期待が改めて浮上したことや、SECなど関係当局が金融商品の評価手法の指針を近く発表すると伝わったことなどで、買いが優勢となりました。9月の消費者信頼感指数が市場予想を上回ったことも、プラス要因でした。7月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は下落率が過去最大となりましたが、影響は軽微でした。
1日の日本市場は、前日に大幅下落した反動もあり、銀行株などを中心に買い戻しが優勢となりましたが、9月の日銀企業短観で業況判断指数がほぼ5年ぶりにマイナスに転じるなど景気悪化が意識され、新たな買いは見送られ、日経平均は徐々に伸び悩みました。米金融安定化法案の修正の成立可能性は高まっているものの、修正案の具体的な内容を見極めるまで動きづらいようです。

[テクニカル視点]
日経平均は上昇しましたが、75日線、25日線、9日線の下に在り、短期トレンドは"赤信号"のままです。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-34.4%とマイナス幅は縮小し、200日線との乖離率も-15.5%とマイナス幅が縮小しました。3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度は1.8ポイントと変化はありませんが、市場は米国よりも日本の方が今後、企業業績の低下が大きいと見ています。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.4ポイント上回わるレベルとなり、割高に転換しました。
NY Dowは、上昇しましたが、75日線、25日線、、9日線、一目均衡表の雲の下に在ります。Nasdaqも、75日線、25日線の下に在り、9日線、一目均衡表の雲の下に在り、年初来安値を更新しました。米国市場の短期トレンドは"赤信号"となり、中期トレンドは、引き続き"赤信号"です。

[ファンダメンタル視点]
米国では金融安定化法案法案の早期成立に対する期待が高まり反発しました。しかし、たとえ成立しても、根本的な信用収縮対策である銀行の自己資本比率の向上への貢献は限定的と思われ、中長期的に見ると、世界景気の減速懸念は依然として払拭されておらず、加えて、不動産価格は下げ止まったとは言えず、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうですので、先安感はなかなか払拭できません。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。市場の関心は10月中旬の欧米主要銀行の決算に移ると思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、30日は上昇しました。(9月安値14.0ドルに対して現在20.5ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-7.9%で、予想PERは14.0となりました。(ちなみにS&P500の今期増益率は-0.7%でPERは14.5です。)

[今後の見通し]
日本市場の戻りは鈍く、上昇率は米国より小さいものでした。その結果、ドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-2.1%(-250円)とまた一転して割安となりました。グローバルな視点で見た日経平均の動きである、ドル換算チャートでは、25日線、9日線の下に在り、今日も安値を更新してしまい、下落基調が顕著です。日銀は11営業日連続となるドル資金を供給するなど、外国銀行間取引の金利上昇は止まっておらず、欧米の金融機関の破綻連鎖の不安は今日も落着いていないようです。金融安定化法案は数日後に修正され可決されるでしょうが、より強力な材料が早急に出てこないと、日経平均の下落基調は続くと考えざるを得ません。とは云え、ここから新規にも売りづらいところです。やはり、突っ込みを買い、早めに利食う戦術が有効と思います。


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