[市況]
24日のNYSEと、NASDAQが大幅下落したことを受けて、日経平均先物は前日比170円安で寄り付きましたが、前場は反騰し一時280円高となる場面もありましたが、後場にかけて売り直され、結局460円安で引けました。日経平均は486円安で出来高は30.1億株と高水準でしたが、寄付き前の外人は1170万株の売り越しとなり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅が拡大し、個別銘柄は"売り"が有利な状況です。
24日の米国株式市場ではアジアや欧州の株式市場が大幅安となった流れから、米国市場でも朝方に約500ドル安となる場面がありました。しかし、売り一巡後は思ったほどの下げとはならなかったことから買いも入り、下げ渋って終わりました。
27日の日本市場では、日経平均はバブル経済崩壊後の最安値を更新し、26年ぶりの安値となりました。世界的な金融危機と景気悪化の同時進行に対する警戒感が消えず、主力株中心に売りが続きました。三菱UFJなどメガバンクが経営体力低下で増資との報道で相対的に優位とみられていた日本の金融システムへの疑念が高まり、大手銀行株には売りが殺到しました。政府の緊急市場安定化策も最大の関心事である急激な円高への対策が盛り込まれていないとして、あまり評価されませんでした。
[テクニカル視点]
日経平均は下落し、75日線、25日線、9日線の下に在り、年初来安値を更新しました。短期トレンドは"赤信号"です。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-112.8%とマイナス幅は拡大し、200日線との乖離率は-44.5%とマイナス幅が拡大しました。3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度は3.4ポイントに拡大しました。市場は米国よりも日本の方が今後、企業業績の低下が大きいと見ていると解釈できます。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が12.2ポイント下回わるレベルとなり、売られ過ぎ度は大幅に拡大しました。
NY Dowは、上昇しましたが、75日線、25日線、、9日線、一目均衡表の雲の下に在ります。Nasdaqも、75日線、25日線、、9日線、一目均衡表の雲の下に在り、年初来安値を更新しました。米国市場の短期トレンドは"赤信号"で、中期トレンドも、引き続き"赤信号"です。
[ファンダメンタル視点]
日本市場は、今日も乱高下の後、大きく下落しました。市場テーマはIMFは赤字国の通貨危機を救えるか、世界的リセッションの対策は出るのか、株安で新たな金融危機は来ないのか?となってきたようです。これが落着くまでは、信用の投売りや、ヘッジファンドの解約売りを始め、投資家の現金回帰は続くものと思われます。中長期的に見ると、世界景気の減速がいつ収まるかは不透明で、加えて、市場は不動産価格も2010年までは下げが続くと見ているようですので、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうですので、先安感はまだ残っています。ただ、超長期で見れば日経平均のPBRの1倍割れは明らかに買い場到来を意味していると思われます。ここからは、日本の主要企業の中間決算に関心が移るものと思います。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、24日は下落し安値を更新しました。(10月の年初来安値12.9ドルに対して現在12.1ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-9.1%で、予想PERは9.6、PBRは0.88となりました。
[今後の見通し]
日本市場はさほどの円高にはならなかったにも関わらず、NY Dowの下落率以上に下げました。これは円>ドル>ユーロの順で通貨が高いことが原因のようです。その結果、ドルベース(円高考慮後)の終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-7.2%(-650円)とマイナス幅が拡大しました。プレミアム値はここ2週間は-650~+180の範囲で動いています。グローバルな視点で見た日経平均の動きである、ドル換算チャートでは、25日線、9日線の下に在り、今日も年初来安値を更新しました。先進国政府の新たな対応策は見えてこないので、VIX (恐怖指数)は高止まりしています。米国も大統領選挙が終わるまでは株価対策は出ずらいと思われまが、強力な対策が出ない限り、まだ下落は続きそうです。
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