日経平均の予想: <20070922>日経平均の来週の動きと中期的投資スタンス

Saturday, September 22, 2007

<20070922>日経平均の来週の動きと中期的投資スタンス

OECDのGDP伸率予測値考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は直近では+2.9ポイントとなり、先週に比べさらに0.2ポイント増加し、日本市場の割安感は増大しました。一方、7月決算の業績発表はほぼ終わり、今期予想増益率は、日経225採用銘柄平均+6.1%と増益率は若干下がりました。米国S&P平均の+8.0%よりは劣るもののほぼ同水準となっています。8/17の急落時点の日経平均の予想PERは16.1とここ10年では最低水準となりましたが、現在は17.2とまだまだ低水準で、この面での日本市場の割安感もまだまだ顕著です。
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2007年GDP予測値(現在2.4%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
①米国市場はFRBの利下げにより急騰し、7-8月の下げ幅の約85%程度まで戻しています。
②日本は、第一四半期の業績発表は終わりましたので、10月末までは相場に与える影響は少なくなると思われます。
③長期金利はかえって上昇して、金利差(3.0%)は若干拡大したものの、円高ぎみに推移しています。
④OECDによる予測値が改定され日本の今年のGDP伸び率予測値2.4%は変化ありませんが、米国は2.1%から1.9%に下方修正され、日本市場の割安感はさらに増しています。
⑤直近の外人の寄り付き前動向はここ1ヶ月は大きく売り越しでしたが、先週後半から買い越しに変化が見られます。しかし9月第2週の主体別動向では8月第3週に次ぐ大幅売り越しだった点が気になります。外人は政局混乱を一番嫌っているようです。
5つのポイントのうち先週は③と⑤が弱気材料でした。今週も③、⑤と為替の動向に注目する必要が有りそうです。
日本市場はテクニカル面では、直近株価は一目均衡表では雲の下ですが接近しつつあり、基準線と転換線を抜きましたので、期待が持てる形になってきました。200日移動平均線乖離率は-5.6%とマイナス幅は縮小し、総合乖離率も-9.3%とマイナス幅が縮小してきましたが、9/3の高値16576円を抜くまでは、中期上昇トレンドは"赤信号"です。
今後は、サブプライム問題に端を発した信用収縮が世界の景気に影響するかどうかがカギと思われまが、FOMCによる利下げが相場マインドの転換点となる可能性が高くなってきました。しかし、日本市場は下げの35%程度しか戻していません、米国市場に比べあまりにも戻り方が弱い点が問題です。この原因が政局の混乱と改革の後退懸念を嫌気した外人の売り越しとすると、今後も戻りは弱いことを覚悟しなければなりません。
今後も①の米国市場の展開、③に伴う為替の動向、⑤政局の安定と外人買いの復活と出来高の動向がキー・ポイントと思われます。
ここからの投資スタンスは、9/3の高値16576円を抜いて短期上昇トレンドに転換できるかどうか確認した後、一旦売りが良いように思います。9/3の高値16576円を抜けば9/11の安値15610円が2番底だったと考えて良いでしょう。さらに16800まで上昇すれば短期上昇トレンド復活と考えて良いと思います。