OECDのGDP伸率予測値考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は直近では+2.3ポイントとなり、先週に比べ変化は有りませんが、日本市場には大きな割安感が有ります。一方、第一四半期の業績発表はほほ終わり、今期予想増益率は、日経225採用銘柄平均+6.5%と増益基調は再確認されました。米国S&P平均の+8.2%よりは劣るもののほぼ同水準となっています。先々週の急落により日経平均の予想PERは16.1とここ10年では最低水準となりましたが、現在は17.6まで戻していますが、この面での日本市場の割安感もまだまだ顕著です。
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2007年GDP予測値(現在2.4%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
①米国市場はリバウンドして75日線近辺まで戻しました。8/24の直前のピーク13381をザラ場で抜き、短期の上昇トレンドを確認しました。しかし、中期的なトレンドは改善していません。
②日本は、第一四半期の業績発表は終わりましたので、10月までは相場に与える影響は少なくなると思われます。
③長期金利は低下しており、金利差(2.9%)は縮小ぎみに推移、急激な円高は一服となりましたが、円高ぎみではあります。
④OECDによる日本の今年のGDP伸び率予測値が2.0%から2.4%に上方修正され、米国は2.4%から2.1%に下方修正され、日本市場の割安感は増しています。
⑤直近の外人の寄り付き前動向はここ1ヶ月は大きく売り越しでしたが、金曜日は13日ぶりに買い越しとなりました。今週も続くかどうかを注視する必要があります。
5つのポイントのうち先週は③、⑤が弱気材料でした。今週は③、⑤の動向と、NASDAQが8/9の高値2627が抜けるかどうかに注目する必要が有りそうです。
日本市場はテクニカル面では、直近株価は一目均衡表では雲の遥か下ですが、200日移動平均線乖離率は-4.1%とマイナス幅を縮小し、総合乖離率も-9.0%とマイナス幅が縮小してきました。しかし、まだマイナス乖離ですので、中期上昇トレンドは"赤信号"です。
今後は、サブプライム問題に端を発した信用収縮が世界の景気に影響するかどうかがカギと思われまが、楽観的な空気になりつつ有ります。
今後も①の米国市場の展開、⑤の外人買いの復活がキー・ポイントと思われます。ここからの投資スタンスは、2番底への売りのタイミングを計ることが重要と思います。第一段階の窓埋と、第二段階の25日線までのリバウンドは達成しましたので、第三段階は200日線、75日線、ボリンジャーバンド上限がほぼ同じ水準ですので、ここを目安とし、第二段階と第三段階の間では、新たな悪材料が出たタイミング、第三段階に達した場合は下落に転じたタイミングでの売りが良いように思います。