日経平均の予想: <20090327>日経平均の今後の見通し

Friday, March 27, 2009

<20090327>日経平均の今後の見通し

[市況]
26日、NYDowとNASDAQが上昇したことを受けて、27日の日経平均先物は、前日終値と同値で寄り付き、前場は150円高まで上げた後、後場は反落し、最終的に80円安で引けました。日経平均は9円安で引け、寄り付き前の外国人は80万株の買い越しで、出来高は22.3億株と、低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡大しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態ですがピークアウト感があります。

26日の米国市場では、ベスト・バイの好決算を受けて、携帯端末やパソコン関連株などが堅調に推移したことが支援材料になりました。午後に7年物国債の入札が好調が伝えられたことで安心感も出て相場はさらに上昇しました。一方、ガイトナー財務長官が金融危機の再発防止へ重要な金融機関の監視一元化などを盛り込んだ規制改革案を公表。金融株は軟調に推移しました。
27日の日本市場では、米市場の上昇や前日に比べ円が下落したことで前場は輸出関連を中心に買われ、日経平均は200円強上昇する場面があったものの、週末を控え次第に利益確定売りが優勢となりました。大手銀行がそろって下落したことで、日経平均は大引け直前に下げに転じました。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線と25日線、75日線の上にありますので、短期トレンドは青信号が点っています。一方、日経平均の総合乖離率は+3.7%とプラス幅は縮小し、200日線との乖離率は-16.0%とマイナス幅は縮小しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つの要素中、マイナスは1つとなりましたので、中期的トレンドには、黄信号が点っています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.9ポイント上にある状態となり、日本市場は割高度が縮小しました。
NYDowは、75日線と一目均衡表の雲の下にありますが、25日線、9日線の上に在ります。NASDAQは、75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号が点っています。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、長らく日本市場が割安であることを示していましたが、このところ日本企業のPERが急激に悪化しているため、現在は日本市場が4.2ポイント割高となっています。
市場は現在、「ビッグ3救済策」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMとクライスラーの改革案が提出されたため、今後は中身についての議論となるでしょう。GMは、4年連続となる大幅な赤字を発表しました。今月末の政府の対応が注目されます。2つめについては、久々に米中古住宅販売や、新規住宅着工件数に改善がみられました。今回のFRBによる住宅ローン担保証券の買い入れが長期金利下げをもたらし、住宅ローン金利低下に繋がりそうです。ここしばらく、住宅関連を中心とした経済指標への関心が向かうと考えられます。3つめに関して、今回のガイトナー財務長官のバッドバンク構想詳細発表は金融安定化への期待で市場心理の改善につながっているようです。今後は銀行の第一四半期の決算とストレステストの結果に関心が集まるものと思われます。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せていません。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、当面続くことが予想されます。また、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、企業の資金調達への悪影響や、銀行の損失拡大懸念をもたらしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は26日、下落しました(3月安値1.02ドルに対し、現在2.81ドル)。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、今期予想増益率が-90.0%、予想PERが97.2、PBRが0.97となっています。PBRが1.0を割っているため、超長期的には買い場が到来していると言ってよさそうです。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の上昇につれて一旦上げた後下落しました。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.7%(120円割高)となっており、日経平均は割高幅を縮小しました。プレミアム値は、ここ1週間、-80円~+570円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は、一目均衡表の雲と75日線の下にありますが、9日線と25日線の上にあるので、短期的には青信号が点っています。日経平均の昨日のプレミアムは高かった分今日は伸びなやみましたが、強い動きが続いています。この結果、25日線との乖離率が12.8%となり、目先の過熱感は依然として大きなままです。引き続き、目先は悪材料に敏感に反応する可能性が高いと思われます。



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