日経平均の予想: <20090323>日経平均の今後の見通し

Monday, March 23, 2009

<20090323>日経平均の今後の見通し

[市況]
20日、NYDowとNASDAQは下落しましたが、23日の日経平均先物は、前日終値より30円高く寄り付き、前場には前日同値まで売られる場面があったものの、その後は反発に転じて、最終的に320円安で引けました。日経平均は269円高で引け、寄り付き前の外国人は1370万株の売り越しでしたが、出来高は24.0億株と増加しました。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡大し、個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

20日の米国市場では、米下院が50億ドル以上の公的資金注入を受けた金融機関が支払った高額賞与などに課税する法案を可決したことで、金融安定化策に積極的に参加する金融機関が減り安定化が遅れるとの懸念が出て、金融株のほか、運輸や景気敏感株も軟調でした。
23日の日本市場では、米国の不良資産買い取りで、民間資金が活用されることが報道されたことで、公的支援を受けた金融機関の「高額賞与問題」が取りざたされ、民間資金の取り込みが難しいとの懸念が強かっただけに、制度の実現性が高まったとして、買い材料となったようです。円が下落したことや、アジアの株式相場が上昇したことや公的年金による買い観測も支援材料となりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線と25日線を上にあり、75日線も上回りましたので、短期トレンドは青信号が点っています。一方、総合乖離率は-9.2%とマイナス幅は縮小し、200日線との乖離率は-20.9%とマイナス幅は縮小しました。日経平均は一目均衡表の雲の下限に接近しましたが、3つの要素すべてがマイナスなので、中期的トレンドには、まだ赤信号が点っています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が1.6ポイント上にある状態となり、日本市場は割高となりました。
NYDowは、75日線と一目均衡表の雲の下にありますが、25日線、9日線の上に在ります。NASDAQも、75日線と一目均衡表の雲を下回っていますが、25日線、9日線の上に在りますので、米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドには赤信号が点っています。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、長らく日本市場が割安であることを示していましたが、このところ日本企業のPERが急激に悪化しているため、現在は日本市場が4.5ポイント割高となっています。
市場は現在、「ビッグ3救済策」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです(1つめの問題については、GMとクライスラーの改革案が提出されたため、今後は中身についての議論となるでしょう。GMは、4年連続となる大幅な赤字を発表しました。今月末の政府の対応が注目されます。2つめについては、久々に米新規住宅着工件数に改善がみられました。今回のFRBによる住宅ローン担保証券の買い入れが長期金利下げをもたらし、住宅ローン金利低下に繋がりそうです。ここしばらく、住宅関連を中心とした経済指標への関心が向かうと考えられます。3つめに関して、ストレステストの実施や、シティ優先株の普通株への転換といった対策は、まだ金融不安の払拭につながっていません。しかし、米欧の大手銀行の業績が好転したとの報道や、FRB議長が会計制度を見直すと発言したことなどは、市場の評価を得ているようです。今夜のガイトナー財務長官の発言が注目されます。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せていません。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、当面続くことが予想されます。また、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、企業の資金調達への悪影響や、銀行の損失拡大懸念をもたらしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は20日、上昇しました(3月安値1.02ドルに対し、現在2.62ドル)。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、今期予想増益率が-88.7%、予想PERが88.1、PBRが0.92となっています。PBRが1.0を割っているため、超長期的には買い場が到来していると言ってよさそうです。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の下落にも関わらず大幅上昇しました。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+7.4%(550円割高)となっており、日経平均は割高幅を広げました。プレミアム値は、ここ1週間、-40円~+570円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は、一目均衡表の雲と75日線の下にありますが、9日線と25日線の上にあるので、短期的には青信号が点っています。日経平均の期末のドレッシング買いは続いているようです。今日もプレミアムが増加し、強い動きが続いていますが、プレミアムは昨年末以来の割高水準になりましたので、買われすぎのレベルとなりました。明日が期末の最終売買日の24日ですので、ここはからは、悪材料に敏感になるものと思われます。



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