日経平均の予想: <20090305>日経平均の今後の見通し

Thursday, March 05, 2009

<20090305>日経平均の今後の見通し

[市況]
4日のNY DowとNASDAQが上昇したことを受けて、日経平均先物は70円高く寄り付き、前場に270円高まで買われれた後は後場に120円高まで売られる場面も有りましたが、結局140円高で引けました。日経平均は142円高でした。寄付き前の外人は780万株の売り越しで、出来高は23.8億株と低水準ながら増加しました。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラス転換しました。個別銘柄は、"買い"が有利な状況となりました。
4日の米国株式市場では、2月の全米雇用リポートで、前月比69万7千人減と、市場予想以上に悪化したことが、株価指数の上値を抑えたものの、前日まで5日続落しており、値ごろ感からの買い戻しが入りやすかったことや、中国が追加的な景気刺激策を実施するとの観測からアジア・欧州市場が堅調に推移したことも支援材料となり、米市場も買い優勢となりました。
5日の日本市場では、追加景気対策への期待から前日の上海株式相場が急伸した流れが欧州、米国に波及したことや、円相場が99円台まで下落したことが好感され、終日高い水準で推移しました。売り方の買い戻しや、公的年金による買いの思惑などで上げ幅を200円超に拡大する場面がありましたが、7500円前後では戻り待ちの売りに上値を抑えられた格好です。

[テクニカル視点]
日経平均は、上昇しましたが、75日線、25日線の下に在りますが、9日線を抜きましたので、短期トレンドは"黄信号"です。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-42.6%とマイナス幅は縮小し、200日線との乖離率も-30.8%とマイナス幅が縮小しましたが、3つがマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.6ポイント下回るレベルとなり、若干割安となりました。
NY Dowは、4日は上昇しましたが、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の下に在ります。Nasdaqも、一目均衡表の雲、75日線、25日線、9日線の下にありますので、米国市場の短期トレンドは、"赤信号"です。中期トレンドも、"赤信号"です。

[ファンダメンタル視点]
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差は、長期間、日本市場が割安でしたが、このところの日本企業のPERの急激な悪化で、日本市場が4.7ポイント割高となっています。市場テーマである①ビッグ3救済問題、②世界的な実態経済の急速な悪化と効果的な景気対策、③金融機関の損失拡大による金融危機再燃。という課題のうち①は、GMとクライスラーの改革案が提出されましたので、今後は破産法11条適用など中身の議論となりそうですが、GMの4年連続の大幅な赤字の中、政府の対応が注目されます、収束するか否かは不透明です。②については急激な景気悪化を示す懸念材料が止まりません。景気対策法案は成立しましたが、保護主義的な動きの有無と効果がいつ見えるかが市場の懸念材料です。中国の追加景気対策が明らかになりましたが、市場の注目が持続するかどうか注目する必要がありそうです。③については、オバマ政権の金融安定化策として、銀行に対するストレステストの実施やシティーの優先株の普通株への転換などの施策は、まだ市場評価を得たとは言えないようで、金融不安の払拭には至っていません。一方、中長期的に見ると、世界景気の減速がいつ収まるかは不透明で、ヘッジファンドを中心とする外人の売り圧力は当面続きそうです。加えて、市場は不動産価格も2010年までは下げが続くと見ているようですので、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響はまだまだ根深そうです。先安感はまだ残っていると思われます。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、5日は下落し年初来安値を更新しました。(3月の安値1.20ドルに対して現在1.13ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-87.9%で、予想PERは71.8、PBRは0.86となりました。PBRは1.0を割り超長期投資としては買い場と思われます。

[今後の見通し]
日経平均は、円安にも関わらず米国市場の上昇率以下でした。その結果、ドルベース(為替考慮後)の終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは+0.5%(40円の割高)となり割高幅を縮小しました。プレミアム値はここ1週間は-220~+180の範囲で動いています。海外投資家から見た日経平均の動きである、ドル換算チャートは、一目均衡表の雲、75日線、25日線、9日線の下に在り、短期的にはまだ"赤信号"です。NY Dowは反発したものの、9日線を越えるまでは本物かどうか判りません。日経平均は円安と中国市場の上昇で底堅く推移しており、9日線を抜きましたが、外人売りは続いており、米国市場の本格的な反転が上昇の条件と思われます。


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