日経平均の予想: <20090322>今週の日経平均の見通しと投資スタンス

Sunday, March 22, 2009

<20090322>今週の日経平均の見通しと投資スタンス

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場はFRBが長期国債の購入を発表したが、市場では懐疑的な反応も出て株価指数の押し上げ効果は限られました。今週は米政府の不良資産買い取り計画の詳細が週初にも発表される見通しで、大手自動車メーカーへの支援策も進展が見込まれそうです。一方、中長期的には、世界同時不況と、ヘッジファンドの売り圧力、不動産価格の下げ傾向に変化は見られません。そのような中で、2009年のGDP伸率予測値考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は4.5ポイント割高となりました。先週と比べ割高度は0.3ポイント減少しました。日本市場はファンダメンタルには米国市場に比べ利益の減少率が著しく、日経平均のPERは79.1と云う数字になっており、明らかに割高です。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2009年GDP予測値(現在-0.1%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
①先週は反発しましたが後半は反落しました。今週はバッドバンク構想の評価で正念場となりそうです。
②決算発表の結果、日経225採用銘柄の今期予想増益率は世界景気の下ぶれにより7月中旬の-2.3%から-88.7%の減益予想に悪化しました。先週も、若干悪化しました。
③長期金利は急低下し、日米の金利差は1.4%前後に縮み、為替は93-95円台と円高方向に変化しました。今週は、93-96円台が想定されます。
④11月初旬に、OECDによる日米の2009年のGDP伸び率予測値が修正され日本が-0.1%となり、米国は-0.9%となりましたので、この面では日本市場にとって0.8ポイント強気材料となりました。
⑤外人は3月2週は売り越しでしたが売越額は減少しました。3月3週もさらに売越額は減少したようです。今週も売り越しが予想されますが売越幅は減少傾向と思われます。
5つのポイントのうち先週は①が強気材料で、③が弱気材料でした。今週も①⑤と為替がキーポイントと思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、1.2ポイント割安となり、先週比2.3ポイント割安幅は縮小しました。一目均衡表では、雲の下に在り、200日移動平均線乖離率は-23.7%となり先週と比較してマイナス幅は4.5ポイント縮小し、総合乖離率は-18.8%となりマイナス幅は14.3ポイント縮小しましたが、3つともマイナスですので中期上昇トレンドは、"赤信号"のままです。日経平均は25日線、9日線の上に在りますので短期的には"青信号"です。米国市場はNY Dowは一目均衡表の雲と25日線、9日線の上に在ります。Nasdaqも一目均衡表の雲と25日線、9日線の上に在りますので、短期的には"青信号"です。

[今週の見通し]
今週は、米政府のバッドバンク構想の詳細が週初にも発表される見通しで、大手自動車メーカーへの支援策が明らかになりそうですので、市場の評価次第で大きく変動する可能性があります。テクニカル面では、先週は短期的に黄信号から青信号に変わりましたが、今週は青信号が維持できるかどうかに注目が必要です。日経平均は8000円を一旦超え、ボリンジャーバンド+2σ付近で揉み合っていますが、米国政府施策に対する市場評価次第で、上か下に大きく振れそうです。テクニカルには一旦、25日線近辺(7500円)まで、下落してもおかしくない感じです。


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