[ファンダメンタルの現状認識]
先週のNY DowはシティグループのCEOが従業員向け書簡で、今年1、2月は利益が出ていると説明したことをきっかけに上昇しました。今週も金融システム不安が後退する状況が期待できそうです。一方、中長期的には、世界同時不況と、ヘッジファンドの売り圧力、不動産価格の下げ傾向に変化は見られません。そのような中で、2009年のGDP伸率予測値考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は4.8ポイント割高となりました。先週と比べ割高度は0.2ポイント増加しました。日本市場はファンダメンタルには米国市場に比べ利益の減少率が著しく、日経平均のPERは73.1と云う数字になっており、明らかに割高です。
[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2009年GDP予測値(現在-0.1%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
①先週は反発しましたが、今週もこの地合いが続きそうな気配です。
②決算発表の結果、日経225採用銘柄の今期予想増益率は世界景気の下ぶれにより7月中旬の-2.3%から-88.1%の減益予想に悪化しました。先週も、悪化しました。
③長期金利は若干低下したものの、日米の金利差は1.6%前後と変化はありませんが、為替は96-99円台と変動幅が拡大しました。今週も、96-99円台が想定されます。
④11月初旬に、OECDによる日米の2009年のGDP伸び率予測値が修正され日本が-0.1%%となり、米国は-0.9%となりましたので、この面では日本市場にとって0.8ポイント強気材料となりました。
⑤外人は3月1週は売り越しでしたが、3月2週は売り越幅は減少したようです。今週も売り越しが予想されますが売り越し幅は減少傾向と思われます。
5つのポイントのうち先週は①が強気材料でした。今週も①⑤と為替がキーポイントと思われます。
[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、3.5ポイント割安となり、先週比3.4ポイント割安幅は拡大しました。一目均衡表では、雲の下に在り、200日移動平均線乖離率は-28.2%となり先週と比較してマイナス幅は4.8ポイント縮小し、総合乖離率は-33.1%となりマイナス幅は17.6ポイント縮小しましたが、3つともマイナスですので中期上昇トレンドは、"赤信号"のままです。日経平均は25日線、9日線の上に在りますので短期的には"青信号"です。米国市場はNY Dowは一目均衡表の雲と25日線の下に在りますが、9日線の上に在ります。Nasdaqも一目均衡表の雲と25日線の下に在りますが、9日線の上に在りますので、短期的には"黄信号"です。
[今週の見通し]
今週も、米大手銀行の金融不安後退は効力を維持しそうですので、経済指標の予想外の悪化がない限りもう少しは反発が続くものと思われます。テクニカル面では、先週に短期的に赤信号から黄信号に変わりましたので今週は青信号まで行けるかどうかに注目が必要です。日経平均は25日線を抜き、久々に短期的に青信号が点灯しましたので、米国市場に新規弱気材料が出なければ、8000円を目指す動きが期待できそうです。
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