日経平均の予想: <20090318>日経平均の今後の見通し

Wednesday, March 18, 2009

<20090318>日経平均の今後の見通し

[市況]
17日、NYDowとNASDAQが上昇したことを受けて。18日の日経平均先物は、前日終値より50円ほど高く寄り付き、前場には100円高まで買われる場面もあったものの、その後は下落に転じて、最終的に30円高で引けました。日経平均は23円高で引け、寄り付き前の外国人は660万株の売り越しで、出来高は23.9億株と増加しました。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を広げています。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

17日の米国市場では、住宅着工件数が8ヶ月ぶりに前月比で増加し、58万3千戸と市場予想の46万戸を大幅に上回ったことで、住宅着工下げ止まりの可能性が意識され、住宅関連株が全面高となりました。米金融機関の業績懸念後退などを背景に前週以降、投資家心理が改善している中で、18日まで開催されるFOMCの声明文の景気判断が明るいものになるとの期待感が出て、売りは出にくい状況だったようです。
18日の日本市場では、欧米の金融システム不安や景気悪化の長期化に対する警戒感が和らぎ、金融株などが買われましたが、目先の上昇ピッチの速さに対する警戒感から上値には利益確定売りが増え、先行きを巡る強弱感が対立し、売買が交錯しました。

[テクニカル視点]
日経平均は75日線の下にありますが、9日線と25日線を上回っているので、短期トレンドは青信号が点っています。一方、総合乖離率は-18.0%とマイナス幅を縮め、200日線との乖離率も-23.7%とマイナス幅を縮めましたが、日経平均は一目均衡表の雲の下にあり、3つの要素すべてがマイナスなので、中期的トレンドには赤信号が点っています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が1.4ポイント下にある状態であり、日本市場は割安に転換しました。
NYDowは、75日線と一目均衡表の雲の下にありますが、9日線の上に在り、25日線を越えました。NASDAQも、75日線と一目均衡表の雲を下回っていますが、9日線の上にあり、25日線を越えましたので、米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しました。中期トレンドには赤信号が点っています。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、長らく日本市場が割安であることを示していましたが、このところ日本企業のPERが急激に悪化しているため、現在は日本市場が4.4ポイント割高となっています。
市場は現在、「ビッグ3救済策」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです(1つめの問題については、GMとクライスラーの改革案が提出されたため、今後は中身についての議論となるでしょう。GMは、4年連続となる大幅な赤字を発表しました。政府の対応が注目されます。2つめについては、久々に米新規住宅着工件数に改善がみられました。ここしばらく、経済指標への関心が向かうと考えられます。3つめに関して、ストレステストの実施や、シティ優先株の普通株への転換といった対策は、まだ金融不安の払拭につながっていません。しかし、米欧の大手銀行の業績が好転したとの報道や、FRB議長が会計制度を見直すと発言したことなどは、市場の評価を得ているようです)。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せていません。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、当面続くことが予想されます。また、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、企業の資金調達への悪影響や、銀行の損失拡大懸念をもたらしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は17日、上昇しました(3月安値1.02ドルに対し、現在2.51ドル)。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、今期予想増益率が-88.3%、予想PERが75.9、PBRが0.89となっています。PBRが1.0を割っているため、超長期的には買い場が到来していると言ってよさそうです。

[今後の見通し]
日経平均は、昨日のプレミアム分、米国市場の上昇率ほどは上げませんでした。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.9%(60円割高)となっており、日経平均は割高幅を狭めました。プレミアム値は、ここ1週間、-170円~+240円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は、一目均衡表の雲と75日線の下にありますが、9日線と25日線の上にあるので、短期的には青信号が点っています。
期末のドレッシング買いは有るものの、日経平均は米国市場に連動した動きとなっています。中期的には予断を許さない状況ですが、政府・日銀の景気対策が繰り返し材料視されていることなどを見るに、今週いっぱいは基本的に強気を維持していいものと思われますが、ボリンジャーバンドの+2σに到達しましたので、目先はもみあうことも仕方ありません。



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