OECDのGDP伸率予測値が改定され、GDP差考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は直近では+2.4ポイントとなり、日本市場に強い割安感があります。一方、決算発表も終了し予想増益率は東証1部平均+19.1%、日経225採用銘柄平均+6.6%と増益基調で、米国S&P平均+7.5%よりは劣るもののほぼ同水準となっています。
今後も、さらに日経平均が上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2007年GDP予測値(現在2.4%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
①米国市場はサブプライム問題による信用収縮懸念から大きく下落しています。まだ、上昇トレンドは崩れていないものの、長引く可能性も否定できません。
②日米とも、来週も四半期の業績発表があり、個別銘柄は業績に一喜一憂する相場となると思われます。
③日米共に長期金利は低下していますが、金利差(3.0%)は縮小しかなり円高で推移しています。
④OECDによる日本の今年のGDP伸び率予測値が2.0%から2.4%に上方修正され、米国は2.4%から2.1%に下方修正され、日本市場の割安感は増しています。
⑤直近の外人の寄り付き前動向は5日連続売り越しです。
5つのポイントのうち先週は①、③と⑤が弱気材料でした。
今週は日本市場の重石であった選挙が通過しますので、①の米国市場が下げ止まるかどうかが、最大の関心事です。
テクニカル面では、直近株価は一目均衡表では雲の下に抜け、200日移動平均線乖離率は+0.1%に縮小し、総合乖離率は-7.1%とマイナスに転換していますので、中期上昇トレンドは"赤信号"が点灯してしまいました。短期間に改善しないと、中期投資スタンスは"売り"となります。
今後は四半期業績発表と、インフレ懸念とサブプライム問題の行方に伴う①の米国市場の展開、②の業績発表結果がキー・ポイントと思われますが、当面は、先週末の米国市場の下落もあり、今週は選挙結果にもよりますが、大きく下落して始まりそうです。
今週の投資スタンスは新規売りは考えず、200日移動平均線を下から上に抜け陽線で終れば買いが良いように思います。