OECDのGDP伸率予測値が改定され、GDP差考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は直近では+2.2ポイントとなり、日本市場に強い割安感が出てきました。一方、決算発表も終了し予想増益率は東証1部平均+18.7%、日経225採用銘柄平均+6.1%となり、米国S&P平均+7.6%よりは劣るもののほぼ同水準となっています。今後も、さらに日経平均が上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2007年GDP予測値(現在2.0%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
①SP500を見ると米国市場は75日線で反発したもののまだ25日線は抜けず、直近安値を更新してしまい、25日移動平均は下降に転換と、あまり良くありません。ヘッジファンドの業績悪化にからむサブプライム問題も払拭できていません。
②3月期決算発表では今期業績には慎重な銘柄が多く見られますが、慎重過ぎとの市場コンセンサスもあり、市場平均PERも下がってきましたので、中期的な安心感は有ると思います。第一四半期の発表がある8月までは大きな変化は期待できません。
③金利差(3.2%)は落ち着いてきましたが円安基調です。日米共に長期金利の上昇は一服しています。
④OECDによる日本の今年のGDP伸び率予測値が2.0%から2.4%に上方修正され、米国は2.4%から2.1%に下方修正され、日本市場の割安感がさらに強まりました。
⑤6月第二週の外人は大幅買い越しでした。先週金曜の外人の寄り付き前動向は久々の買い越しとなりました。
5つのポイントのうち先週は①と⑤が弱気でしたが、今週も①の改善は見込み薄です。
テクニカル面では、日経平均は2月の高値を終値で抜き、直近株価は一目均衡表では雲の上のに在り、200日移動平均線乖離率は+6.3%に若干縮小し、総合乖離率も+10.4%に縮小していますが、中期上昇トレンドには依然"青信号"が点灯状態ですので、中期投資スタンスは"買い"継続です。
今後も長期金利上昇、インフレ懸念とサブプライム問題の行方に伴う①の米国市場の展開と、⑤の外人買いがキー・ポイントと思われますが、堅調な世界経済の動きに比べ日本市場の割安が、やっと見直される局面が来たようですので、今週こそ2月高値の18300円を伺う動きも期待できそうです。しかし、出来高が増えないと上昇幅も限定的と思いますが、ボリンジャーバンド+2σ(18330)辺りが目先のピークの目安となりそうです。