日経平均の予想: <20090729>日経平均の今後の見通し

Wednesday, July 29, 2009

<20090729>日経平均の今後の見通し

[市況]
28日のNY Dowは下落しNASDAQは上昇しました。29日の日経平均先物は、前日比50円安で寄り付きましたが、前場は90円高まで買い戻される場面もありました。後場は小動きで、最終的に前日30円高で終わりました。日経平均は25円高で引け、出来高は19.5億株と低水準でした。寄り付き前の外国人は1350万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮小しました。個別銘柄に関しては、買いが有利な状態です。

28日の米国市場では、7月の消費者信頼感指数が前月から低下し、市場予想を下回ったことや、高値警戒感から利益確定売りが先行しました。NY Dowは一時100ドル超下落する場面がありましたが、売り一巡後は下げ幅を縮小する展開となりました。5月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比での下落率が縮小し、前月比ベースでは上昇に転じたことが相場の下支え要因となりました。
29日の日本市場では、円高を嫌気した売りで、朝方の日経平均は1万円近辺まで下げる場面がありました。その後は4-6月決算内容で業績の底入れ期待がある銘柄を中心に買いが集まり、一時終値ベースの年初来高値を更新する場面がありました。ただ、上値追いとはならず、日経平均は小幅高で終了しました。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線、25日線の上に在りますので、短期トレンドは青信号が点灯しています。一方、日経平均の総合乖離率は+27.4%となり、プラス幅が若干拡大しました。200日線との乖離率は+15.7%となり、プラス幅は拡大しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つともプラスですので、中期的トレンドは、青信号が点灯しています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が5.7ポイント下にある状態となり、日本市場の割安幅は拡大しました。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の上に在ります。
NY Dowは200日線、75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、200日線、75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドも青信号が点灯しています。米国市場にはテクニカルに高値警戒感があります。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、現在は日本市場が0.2ポイント割高となっています。
市場は現在、「実体経済の見通し」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめについては、米企業の4-6月決算は順調なことや、住宅関連指数に底打ち感が出てきたことなどが好感され、株価指数は年初来高値を更新してきましたが、消費者信頼感指数に景気の弱さが見えます。2つめについては、ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠のきましたが、不良資産が本当に減少しているか否かは時価会計基準が緩和されたこともあり、不透明です。しかし、主要金融機関の4-6月期業績は概ね順調ですので9月中旬までは問題の再燃はなさそうです。ノンバンクのCITの破綻は当面回避されましたが、引き続き、金融機関の決算での不良債権に注目する必要があります。
一方、中長期的に見ると、世界景気は底打ちの気配があるものの、前年からの落ち込み幅は大きく、輸出の低迷や雇用の減少傾向は世界的に続いています。2010年まで続くと言われる商業用を含む不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきから、金融機関の不良債権増加懸念は払しょく出来ず、個人消費や企業の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は28日、上昇しました。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在2.97ドル)依然として安心できる株価とは言えません。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、予想PERは41.8となりました。PBRは1.28となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、円高とNY Dowの下落にも関わらず上昇しました。結果、NY Dowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.3%(220円の割安)となっており、日経平均のプレミアムはマイナス幅が縮小大しました。プレミアム値は、ここ1週間は、-420円~-120円の間で推移しています。プレミアムのマイナス幅はまだ大きく、日経平均は、今後も、NY Dowの動きより上振れする可能性が高そうです。
日・米とも短期、中期の株価指数トレンドは青信号となっていますが、25日線との乖離率がNY Dowで7.4%、Nasdaqで6.8%となり目先は過熱感があり、一休みしています。米国市場は過熱感が和らぐまで、弱含みですが、日経平均には過熱感はまだ有りませんので、米国市場よりも底堅く推移しそうです。米国市場が大崩れせず、4-6月決算発表が順調であれば、目先の上値余地もありそうです。


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