日経平均の予想: <20090721>日経平均の今後の見通し

Tuesday, July 21, 2009

<20090721>日経平均の今後の見通し

[市況]
20日のNY DowとNASDAQが上昇したことを受けて、21日の日経平均先物は、前日比190円高で寄り付きましたが、前場に120円高まで上げ幅を縮める場面がありました。その後は小動きでしたが、引け際に買われ、最終的に前日比270円高で終わりました。日経平均は256円高で引け、出来高は20.6億株と低水準でした。寄り付き前の外国人は1000万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス転換しました。個別銘柄に関しては、買い有利な状態に変わりました。

20日の米国市場では、ノンバンク大手CITグループの破綻が回避されるとの観測が広がったことや、6月の米景気先行指数の上昇、米ゴールドマン・サックスがS&P500の目標を引き上げたことなどが好感され、NY Dowは6日続伸、NASDAQは9日続伸となりました。
21日の日本市場では、米市場の上昇を好感し主力株を中心に買いが入りました。前場終盤に利益確定の売りでやや伸び悩む場面があったものの、大引けにかけ米株式市場の今後の上昇期待感から買いが入り、日経平均を押し上げました。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線の上に在り、25日線を上回りましたで、短期トレンドは黄信号から青信号に変化しました。一方、日経平均の総合乖離率は+13.5%となり、プラス幅が拡大しました。200日線との乖離率は+9.8%となり、プラス幅が拡大しました。一目均衡表では雲の中に在ります。2つがプラスですので、中期的トレンドは、黄信号が点灯しています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が6.5ポイント下にある状態となり、日本市場は割安幅が縮小しました。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、75日線、一目均衡表の雲の上に在り、9日線の上に在り、25日線を上回りました。
NY Dowは200日線、75日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、200日線、75日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンド青信号が点灯しています。中期トレンドも青信号が点灯しています。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、現在は日本市場が0.3ポイント割高となっています。
市場は現在、「実体経済の見通し」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめについては、米国の6月雇用統計では失業率が9.5%に拡大し、減少幅も予想以上となり相場の重しとなっていましたが、米企業の4-6月決算は今のところ順調で相場は回復基調です。2つめについては、ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠のきましたが、金融機関の不良債権が実質的に減少するがどうかは不透明です。しかし、金融機関の4-6月期業績は概ね順調です。ノンバンクではCITに破綻懸念との報道がありましたが、当面回避との報道が新たに出ています。引き続き、金融機関の決算での不良債権に注目する必要があります。
一方、中長期的に見ると、世界景気は減速の勢いは緩和されたものの、改善の気配を未だ見せておらず、輸出の低迷や雇用の減少傾向は世界的に続いています。2010年まで続くと言われる不動産価格の下落から、金融機関の不良債権増加懸念を払しょく出来ず、個人消費や企業の投資の為の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は20日、下落しました。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在2.79ドル)
一方、日経平均採用銘柄に関しては、予想PERは40.4となりました。PBRは1.2となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NY Dowの上昇に連動して上げました。結果、NY Dowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-3.5%(340円の割安)となっており、日経平均のプレミアムはマイナス幅が縮小しました。プレミアム値は、ここ1週間は、-460円~-80円の間で推移しています。プレミアムのマイナス幅はかなり大きくなりましたが縮小傾向ですので、NY Dowの動きより上振れする方向に変化する気配です。
米企業の4-6月決算発表は今のところ順調で、米株価指数は青信号となっていましたが、日本市場も短期トレンドが青信号となりました。日経平均は9050円を下回らずに、攻防ラインの9500円を抜きましたので、次の注目点は9950円近辺の上値抵抗ラインを抜けるかどうかに移りました。少なくとも、あと300円程度の上昇余地が有りそうです。


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