[市況]
6日のNYDowは上昇し、NASDAQは下落しましたが、7日の日経平均先物は、前日比10円高で寄り付き直後に40円高まで買われる場面もありました.。その後は終日軟調な展開となり、最終的に前日比60円安で終わりました。日経平均は33円安で引け、出来高は20.4億株と低水準でした。寄り付き前の外国人は380万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては、買いが有利な状態です。
6日の米国市場では、雇用統計の悪化から景気懸念の強まりを背景に原油が連日で大幅に下落し、資源株が下落したほか、ハイテク株が軟調でした。6月のISM非製造業景況感指数は前月から上昇し、市場予想を上回り、株価指数は一時下げ渋ったものの、買いは続きませんでした。引けにかけてディフェンシブ株に買いが入り、NY Dowは上昇して終了しました。
7日の日本市場では、NY Dowが反発したことを好感した買いが先行しましたが、米景気の不透明感が根強く、買いは続きませんでした。原油など国際商品相場が下落基調にあることから、資源関連株への売りが続き、円が95円近辺まで上昇したことから、輸出関連株も売られました。
[テクニカル視点]
日経平均は、75日の上に在りますが、25日線、9日線の下に在りますので、短期トレンドは赤信号が点灯しています。一方、日経平均の総合乖離率は+11.2%とプラス幅が縮小し、200日線との乖離率は+8.2%とプラス幅が縮小しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つともプラスですので、中期的トレンドは、青信号が点灯しています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.2ポイント下にある状態となり、日本市場は若干割安幅が拡大しました。
NYDowは75日線の上にありますが、200日線、25日線、9日線の下に在り、一目均衡表では雲の上限近くに在ります。NASDAQは、一目均衡の雲の上に在り、200日線、75日線の上に在りますが、9日線、25日線の下にあります。米国市場の短期トレンドは赤信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号が点灯しています。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、GDP伸び率が改訂され、現在は日本市場が0.8ポイント割高となっています。
市場は現在、「GM再生処理」「実体経済の悪化に対する景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMの米連邦破産法11条の適用申請が決まりましたが、新生GMが月内に正式に発足と報道され短期間に収束の兆しが出てきました。6月の雇用統計にはあまり影響がなかったようです。2つめについては、米国の6月雇用統計では失業率が9.5%に拡大し、減少幅も予想以上となりました。一方、住宅関連指標や景気指標はこのところ悪材料に敏感です。3つめについては、ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠のきましたが、金融機関の不良債権が実質的に減少するがどうかは不透明です。4-6月決算発表が近づきましたので注目する必要があります。米国債の入札は好調で、長期金利が低下しドル安円高傾向となっています。
一方、中長期的に見ると、世界景気は減速の勢いは緩和されたものの、改善の気配を未だ見せておらず、輸出の低迷や雇用の減少傾向は世界的に続いています。2010年まで続くと言われる不動産価格の下落から、金融機関の不良債権増加懸念を払しょく出来ず、個人消費や企業の投資の為の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は6日、下落しました。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在2.79ドル)
一方、日経平均採用銘柄に関しては、予想PERは41.1となりました。PBRは1.3となっています。
[今後の見通し]
日経平均は、NY Dowの上昇にも関わらず下げました。結果、NY Dowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.1%(200円の割高)となっており、日経平均のプレミアムはプラス幅が縮小しました。プレミアム値は、ここ1週間は、+140円~+420円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、75日線、一目均衡表の雲の上に在りますが、9日線、25日線の下に在ります。プレミアムのプラス幅がここ一週間の下限に近付きましたので、中立となりました。
NY Dowがザラ場で安値を更新し、25日線が下降に転じるなど、形が良くありません。次の目安は9510円近辺の節目を下回るかどうかに注目する必要があります。あっさり下回れば、ズルズル下げそうです。
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