日経平均の予想: <20090705>今週の日経平均の見通しと投資スタンス

Sunday, July 05, 2009

<20090705>今週の日経平均の見通しと投資スタンス

[ファンダメンタルの現状認識]
中長期的には、世界的な雇用の悪化と不動産価格の下げによる信用収縮傾向は今後も続く可能性が大と思われる中、先週の米国市場は雇用統計の悪化が嫌気され下落しました。今週は、景気関連の経済指標の発表、サミットでのメッセージ、4-6月期決算発表などが注目されます。そのような中で、2009年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差はOECDのGDP予想値が改訂され日本市場が0.6ポイント割高に変化しました。先週と比べ割高度が大幅に縮小しました。3月度決算発表がほぼ終了し、日本市場は米国市場に比べ企業利益の減少率が著しく、日経平均のPERは41.2となりました。S&P500のPERの15.7と比べると、企業のファンダメンタルに大きな差が有ることが割高の原因です。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2009年GDP予測値(現在-0.1%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
①先週の米国市場は調整色が一層増しました。今週はNY Dowが75日線を下回るようですと調整は長引きそうですので、正念場です。
②3月決算発表が終わり、日経225採用銘柄の今期予想増益率は前期が赤字の為、計算不能となりましたが、世界景気の下ぶれにより今期ROE予想値は3.1%となっています。
③長期金利は低下傾向で、日米の金利差は2.2%とやや拡大し、為替は95-96円台と円安ぎみで推移しました。今週は、95-97円台とやや円安方向が想定されます。
④今年6月に、OECDによる日米の2009年の実質GDP伸び率予測値が修正され日本が-0.1%となり、米国は-0.9%になりましたので、この面では米国市場にとって0.8ポイント分の弱気材料となりました。
⑤外人は6月4週は売り越しでした。6月5週も小幅売り越しだった可能性が高く、今週も小幅売り越し傾向が予想されます。
5つのポイントのうち先週は①⑤が弱気材料でした。今週も①⑤がキーポイントと思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、1.1ポイント割高となり、先週比1.6ポイント割高方向に動きました。一目均衡表では、雲の上に在り、200日移動平均線乖離率は+9.8%となり先週と比較してプラス幅は0.2ポイント拡大し、総合乖離率は+16.9%となりプラス幅が縮小しました。3つともにプラスですので中期上昇トレンドは、"青信号"が点灯しています。日経平均は25日線の上に在りますが、9日線の下に在り、短期的には"黄信号"です。
米国市場ではNY Dowは200日線、25日線、9日線の下に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは一目均衡表の雲と200日線の上に在ますが、25日線、9日線の下に在りますので、短期的には"赤信号"で中期的には"黄信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
日経平均は個人投資家の強気姿勢で米国市場よりは底堅く推移しています。しかし、NY Dowに続きNasdaqも赤信号が点灯しました。ここからの日経平均の上昇の為には外人の買い越しによる出来高増加とNY Dowの短期トレンドの青信号点灯が必要と思われますが、実現はかなり遠のきました。一方、ここ3ヶ月は10日前後に月中の高値を付けていますので、今週も先物主導の買いを期待したい所です。強弱の思惑が混在する中で、ボリンジャーバンドがかなり狭まってきましたので、そろそろ上下に大きく振れるタイミングとなったようです。4-6月決算が近づき、米金融機関の不良債権問題が再燃する可能性があり、そうなれば下振れの可能性がより高まります。



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