日経平均の予想: <20090723>日経平均の今後の見通し

Thursday, July 23, 2009

<20090723>日経平均の今後の見通し

[市況]
22日のNY Dowは下落しNASDAQは上昇しましたが、23日の日経平均先物は、前日比20円安で寄り付き、前場はその水準で小動きでした。後場に140円高まで買われる場面がありましたが、引け際に伸び悩み、最終的に前日比50円高で終わりました。日経平均は69円高で引け、出来高は22.6億株と低水準でした。寄り付き前の外国人は820万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡大しました。個別銘柄に関しては、買いが有利な状態です。

22日の米国市場では、企業の好決算などを背景に、前日までの続伸でNY Dowの上昇率は9%超に達していたことから、高値警戒感などから売りが優勢となりました。一方、アナリストが目標株価を引き上げたアップルの上昇や半導体株指数が2.7%上昇するなど、景気期待からハイテク株を買う動きは続き、Nasdaqは終始堅調でした。
23日の日本市場では、米市場が方向感に乏しかった為に前場は小動きが続いたものの、後場に入りアジア株高や円安を受けて自動車やハイテクなど輸出関連株が軒並み高となりました。個人の短期資金の物色意欲も旺盛で、明電舎やGSユアサなどの環境関連の材料株の一角が急伸しました。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線、25日線の上に在りますので、短期トレンドは青信号が点灯しています。一方、日経平均の総合乖離率は+18.0%となり、プラス幅が拡大しました。200日線との乖離率は+11.7%となり、プラス幅が拡大しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つともプラスですので、中期的トレンドは、青信号が点灯しています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が6.0ポイント下にある状態となり、日本市場の割安幅は変化ありません。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の上に在ります。
NY Dowは200日線、75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、200日線、75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドも青信号が点灯しています。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、現在は日本市場が0.5ポイント割高となっています。
市場は現在、「実体経済の見通し」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめについては、米国の6月雇用統計では失業率が9.5%に拡大し、減少幅も予想以上となり相場の重しとなっていましたが、米企業の4-6月決算が今のところ順調で相場は回復基調です。2つめについては、ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠のきましたが、不良資産が本当に減少しているか否かは不透明です。しかし、主要金融機関の4-6月期業績は概ね順調ですので当面問題の再燃はなさそうです。ノンバンクではCITに破綻懸念との報道がありましたが、当面回避との報道が新たに出ています。引き続き、金融機関の決算での不良債権に注目する必要があります。
一方、中長期的に見ると、世界景気は減速の勢いは緩和されたものの、改善の気配を未だ見せておらず、輸出の低迷や雇用の減少傾向は世界的に続いています。2010年まで続くと言われる不動産価格の下落から、金融機関の不良債権増加懸念を払しょく出来ず、個人消費や企業の投資の為の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は22日、上昇しました。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在2.80ドル)
一方、日経平均採用銘柄に関しては、予想PERは40.9となりました。PBRは1.25となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、円安に振れたことで、NY Dowが下落したにも関わらず上げました。結果、NY Dowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.7%(260円の割安)となっており、日経平均のプレミアムはマイナス幅が縮小しました。プレミアム値は、ここ1週間は、-490円~-170円の間で推移しています。プレミアムの縮小傾向は続いていますがマイナス幅はまだ大きく、日経平均は、NY Dowの動きより上振れする可能性が高そうです。
米企業の4-6月決算発表は今のところ順調で、日・米とも短期、中期の株価指数トレンドは青信号となっています。日経平均先物は9870円の窓埋めも果たし、次の注目点は9950円近辺の上値抵抗ラインを抜けるかどうかになりました。少なくとも、あと150円程度の上昇余地が有りそうですが、米国市場が連騰に次ぐ連騰で目先の過熱感が出てきましたので、一休みが近そうです。


ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。
下のボタンをクリック!

世界の市場のリアルチャートはこちら=>世界の市場のリアルチャート

注目銘柄、日経平均チャートについてはYS総合研究所HPも参考にしてください。