[市況]
1日のNYDowとNASDAQが上昇したことを受けて、2日の日経平均先物は、前日比40円高で寄り付きましが、その後は終日軟調な展開となり、最終的に前日比40円安で終わりました。日経平均は63円安で引け、出来高は20.7億株と低水準でした。寄り付き前の外国人は650万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては、買いが有利な状態です。
1日の米国市場では、ISM景況感指数は市場予想とほぼ一致しました。製造業の景況改善が続いていることや、中国の6月のPMIが改善したことが好感され株価指数は堅調に推移しましたが、6月のADP全米雇用リポートで、非農業部門雇用者数が前月比47万3000人減と、市場予想の40万人減を上回る減少となったことが上値を抑えました。
2日の日本市場では、米市場高を受け、朝方の日経平均は1万円に迫ったものの、大台を前に積極的に買い進む向きは目立たず、株価指数は徐々に下落しました。昨日までの2日日間に取引時間中に1万円を上回ったものの、終値では9000円台にとどまっていたこともあり、1万円台回復には新たな買い材料が必要との見方が多かったようです。
[テクニカル視点]
日経平均は、75日、9日線、25日線の上に在りますので、短期トレンドは青信号が点灯しています。一方、日経平均の総合乖離率は+19.1%とプラス幅が縮小し、200日線との乖離率は+10.3%とプラス幅が縮小しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つともプラスですので、中期的トレンドは、青信号が点灯しています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.2ポイント下にある状態となり、日本市場は割安に転換しました。
NYDowは75日線、9日線の上にあり、一目均衡表では雲の上に在り、25日線の下に在りますが、200日線を上回りました。NASDAQは、一目均衡の雲の上に在り、200日線、75日線、9日線、25日線の上に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号から青信号となりました。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、改善傾向にはあるものの、現在は日本市場が3.9ポイント割高となっています。
市場は現在、「GM再生処理」「実体経済の悪化に対する景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMの米連邦破産法11条の適用申請が決まりましたが、今後のテーマは短期間の再建が可能かどうか、経済指標や雇用にどの程度影響するかに移ると思われます。2つめについては、米国の雇用は失業率が9.4%に増加したものの、減少幅に改善の兆しが出てきました。7月2日の雇用統計が注目されます。一方、住宅関連指標や景気指標はこのところ好悪混在し方向感が定まりません。3つめについては、ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠のきましたが、金融機関の不良債権が実質的に減少するがどうかは不透明です。一方、米金融機関の公的資金返済や規制強化の動きは健全化の動きとしては評価できるものの、貸付の抑制につながる懸念から景気にはマイナスとの市場の見方が主流です。米国債の入札は好調で、長期金利が低下しドル安円高傾向となっています。
一方、中長期的に見ると、世界景気は減速の勢いは緩和されたものの、改善の気配を未だ見せておらず、輸出の低迷や雇用の減少傾向は世界的に続いています。2010年まで続くと言われる不動産価格の下落から、金融機関の不良債権増加懸念を払しょく出来ず、個人消費や企業の投資の為の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は1日、変わらずでした。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在2.97ドル)
一方、日経平均採用銘柄に関しては、予想PERは41.4となりました。PBRは1.3となっています。
[今後の見通し]
日経平均は、NY Dowが上昇したにも関わらず下げました。結果、NY Dowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.7%(160円の割高)となっており、日経平均のプレミアムはプラス幅が縮小しました。プレミアム値は、ここ1週間は、+140円~+440円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、75日線、9日線の、25日線、一目均衡表の雲の上に在ります。プレミアムのプラス幅が大きい状態が続いていましたので、今日の下げはしかたがないところです。為替に変化がなければ明日以降も米国市場の動きより下振れする可能性はまだあります。
日本市場の短期トレンドはまだ青信号ですので、米国市場次第では、調整局面のから脱却の可能性は僅かながら残されています。ただ、出来高が低水準である点、前回高値から、そろそろ1ヶ月を経過するなど6月12日の高値10171円を超える為にはエネルギー不足と言わざるをえません、今週中が正念場と思われますが1日を残すのみとなりましたが、可能性は小さそうです。
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