日経平均の予想: <20090715>日経平均の今後の見通し

Wednesday, July 15, 2009

<20090715>日経平均の今後の見通し

[市況]
14日のNY DowとNASDAQが上昇したことを受けて、15日の日経平均先物は、前日比80円高で寄り付き、前場に90円高まで上昇しましたが、その後は軟調な展開となり後場に前日終値水準まで売られる場面もありましたが、最終的に前日比40円高で終わりました。日経平均は7円高で引け、出来高は22.0億株と低水準でした。寄り付き前の外国人は940万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては、売りが有利な状態です。

14日の米国市場では、朝方発表の6月の米小売売上高の前月比増加率は予想を上回ったものの、ガソリンの値上げ要因などを除いた売上高の増加率は予想を下回り、相場への影響は限定的でした。一方、ゴールドマン・サックスやJ&Jが市場予想を上回る四半期決算を発表したことが、相場の支えとなりました。ただ大幅上昇した翌日とあって利益確定売りが上値を抑えたようです。
15日の日本市場では、インテルの決算が市場予想を上回ったことで、今晩の米株高への期待が広がったものの、買いは続きませんでした。景気や企業業績の先行き不透明感は相変わらず拭えないようです。日銀の金融政策決定会合では、金利の据え置きや企業金融支援の期限延長などを発表しましたが、市場への影響は限定的でした。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線の下に在りますので、短期トレンドは赤信号が点灯しています。一方、日経平均の総合乖離率は+0.4%とプラス転換しました。200日線との乖離率は+5.0%とプラス幅が拡大しました。一目均衡表では雲の中に在ります。2つがプラスですので、中期的トレンドは、黄信号が点灯しています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が3.3ポイント下にある状態となり、日本市場は割安幅が縮小しました。
NY Dowは25日線の下に在ますが75日線、9日線の上に在り、200日線を上回りました。一目均衡表では雲の中に在ります。NASDAQは、200日線、75日線、9日線の上に在りますが、25日線の下に在ります。一目均衡の雲の上に出ました。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号が点灯しています。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、GDP伸び率が改訂され、現在は日本市場が0.8ポイント割高となっています。
市場は現在、「実体経済の見通し」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめについては、米国の6月雇用統計では失業率が9.5%に拡大し、減少幅も予想以上となり相場の重しとなっています。住宅関連指標や他の景気指標はこのところ悪材料に敏感です。4-6月決算は今のところ順調なようです。2つめについては、ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠のきましたが、金融機関の不良債権が実質的に減少するがどうかは不透明です。4-6月決算発表が始まりましたが、GSは予想以上だったようです。引き続き、金融機関の決算での不良債権の大きさに注目する必要があります。世界的な商品・株式市場の低迷で、米国債が買われています。その為に長期金利が低下しドル安・円高傾向となっていますが、今日は米長期金利が上昇し円安ぎみに推移しました。。
一方、中長期的に見ると、世界景気は減速の勢いは緩和されたものの、改善の気配を未だ見せておらず、輸出の低迷や雇用の減少傾向は世界的に続いています。2010年まで続くと言われる不動産価格の下落から、金融機関の不良債権増加懸念を払しょく出来ず、個人消費や企業の投資の為の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は14日、上昇しました。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在2.92ドル)
一方、日経平均採用銘柄に関しては、予想PERは38.9となりました。PBRは1.2となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NY Dowの上昇に連動して上げました。結果、NY Dowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.3%(130円の割安)となっており、日経平均のプレミアムはマイナス幅が拡大しました。プレミアム値は、ここ1週間は、-170円~+320円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、75日線、一目均衡表の雲の上に在りますが、9日線、25日線の下に在ります。プレミアムはマイナスとなり、ここ一週間の下限近辺ですので、NY Dowの動きより下振れする傾向が、まだ持続しそうです。
米金融機関の4-6月決算発表は今のところ順調ですが、日米共に株価指数を25日線まで戻すことはできていません。日本市場はここ3ヶ月の上昇で信用の買い残が相当積み上がっている点が重しとなっているようです。米国市場次第ですが、日本市場は出来高の低水準が続いていますので、再上昇の為にはもう少し日柄整理が必要と思われます。


ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。
下のボタンをクリック!

世界の市場のリアルチャートはこちら=>世界の市場のリアルチャート

注目銘柄、日経平均チャートについてはYS総合研究所HPも参考にしてください。