日経平均の予想: <20090717>日経平均の今後の見通し

Friday, July 17, 2009

<20090717>日経平均の今後の見通し

[市況]
16日のNY DowとNASDAQが上昇したことを受けて、17日の日経平均先物は、前日比80円高で寄り付きましたが、前場に30円高まで下げましたが、その後は小動きとなり、最終的に前日比50円高で終わりました。日経平均は51円高で引け、出来高は22.8億株と低水準でした。寄り付き前の外国人は100万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては、売りが有利な状態です。

16日の米国市場では、「ノンバンク大手CITグループが17日にも米連邦破産法11条の適用を申請する」とのニュースで信用市場への警戒感につながり、朝方は売りに押される場面もありましたが、JPモルガン・チェースが発表した4-6月期決算は7四半期ぶりに増益となり、1株利益も市場予想を上回ったことで、企業業績や景気の底入れ期待を背景に徐々に買いが優勢になりました。
17日の日本市場では、米主要企業の好決算発表で続伸した米市場高を好感した買いが先行したものの、3連休を控え、週明けの政局動向や来週から発表が本格化する4-6月期決算の内容を見極めようとの慎重なムードが広がり、上げ幅は限定的でした。

[テクニカル視点]
日経平均は、まだ25日線の下に在りますが、9日線を上回りましたで、短期トレンドは赤信号から黄信号に変化しました。一方、日経平均の総合乖離率は+5.1%とプラス幅が拡大しました。200日線との乖離率は+6.7%とプラス幅が拡大しました。一目均衡表では雲の中に在ります。2つがプラスですので、中期的トレンドは、黄信号が点灯しています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が7.7ポイント下にある状態となり、日本市場は割安幅が拡大しました。
NY Dowは200日線、75日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、200日線、75日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡では雲の上在ります。米国市場の短期トレンド青信号が点灯しています。中期トレンドも青信号が点灯しています。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、GDP伸び率が改訂され、現在は日本市場が0.7ポイント割高となっています。
市場は現在、「実体経済の見通し」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめについては、米国の6月雇用統計では失業率が9.5%に拡大し、減少幅も予想以上となり相場の重しとなっていましたが、4-6月決算は今のところ順調で相場は回復基調です。2つめについては、ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠のきましたが、金融機関の不良債権が実質的に減少するがどうかは不透明です。4-6月決算発表が始まりましたが、GSとJPモルガンは予想以上でした。ノンバンクではアメックスには良い材料が出たもののCITには破綻懸念の悪材料が出ています。引き続き、金融機関の決算での不良債権に注目する必要があります。一方、米長期金利は上昇し、円安方向で推移しています。
一方、中長期的に見ると、世界景気は減速の勢いは緩和されたものの、改善の気配を未だ見せておらず、輸出の低迷や雇用の減少傾向は世界的に続いています。2010年まで続くと言われる不動産価格の下落から、金融機関の不良債権増加懸念を払しょく出来ず、個人消費や企業の投資の為の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は16日、下落しました。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在3.03ドル)
一方、日経平均採用銘柄に関しては、予想PERは39.2となりました。PBRは1.2となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NY Dowの上昇率ほどは上げませんでした。結果、NY Dowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-4.4%(440円の割安)となっており、日経平均のプレミアムはマイナス幅が大幅に拡大しました。プレミアム値は、ここ1週間は、-460円~+320円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、75日線、一目均衡表の雲の上に在り、25日線の下に在りますが、9日線を上回りました。プレミアムのマイナス幅はかなり大きくなりましたが、下限値を連日下回っていますので、NY Dowの動きより上振れする形に変化するにはもう少し時間が必要と思われます。
米企業の4-6月決算発表は今のところ順調で、米株価指数は青信号となりましたが、日本市場はやっと、黄信号となった段階です。日経平均は今日も9500円近辺の上値抵抗ラインを抜けませんでした。政局の混迷と、ここ3ヶ月の上昇で信用の買い残が相当積み上がっている点が日本市場の重しとなっているようです。出来高の低水準が続いていますので、再上昇の為にはもう少し日柄整理が必要のようです。9050円を下回らずに、9500円を抜けば先が見えそうです。


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