[市況]
30日のNYDowとNASDAQが下落がしたことを受けて、1日の日経平均先物は、前日比60円安で寄り付きました。その後急騰し、後場に160円高まで買われる場面もありましたが、引けにかけて売られ、最終的に前日比変わらずで終わりました。日経平均は18円安で引け、出来高は23.1億株と低水準でした。寄り付き前の外国人は470万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては、買いが有利な状態です。
30日の米国市場では、4月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数の下落率が予想より小幅になり、6月のシカゴ購買部協会景気指数は予想を上回ったことで、取引開始直後の米市場は小高く推移する場面がありましたが、6月の米消費者信頼感指数が予想に反して低下し、米個人消費の回復が遅れる可能性が意識され、売り優勢になりました。
1日の日本市場では、朝方の日銀短観のDIが-48と2年半ぶりに改善したものの予想を下回りましたが市場は冷静な反応でした。個人投資家などの物色意欲は強く、その後1万円の大台を達成し、窓埋めも達成したことで安心感も出て、さらに上伸しました。しかし、今晩に米ISM製造業景況感指数やADPの全米雇用リポートなどの発表が相次ぐことから、引けにかけて持ち高調整目的の売りが優勢となりました。
[テクニカル視点]
日経平均は、75日、9日線、25日線の上に在りますので、短期トレンドは青信号が点灯しています。一方、日経平均の総合乖離率は+21.6%とプラス幅が縮小し、200日線との乖離率は+10.8%とプラス幅が若干縮小しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つともプラスですので、中期的トレンドは、青信号が点灯しています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.1ポイント上にある状態となり、日本市場は若干割高となりました。
NYDowは75日線、9日線の上にあり、一目均衡表では雲の上に在り、200日線、25日線の下に在ります。NASDAQは、一目均衡の雲の上に在り、200日線、75日線、9日線、25日線の上に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドも黄信号です。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、改善傾向にはあるものの、現在は日本市場が4.0イント割高となっています。
市場は現在、「GM再生処理」「実体経済の悪化に対する景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMの米連邦破産法11条の適用申請が決まりましたが、今後のテーマは短期間の再建が可能かどうか、経済指標や雇用にどの程度影響するかに移ると思われます。2つめについては、米国の雇用は失業率が9.4%に増加したものの、減少幅に改善の兆しが出てきました。7月2日の雇用統計が注目されます。一方、住宅関連指標や景気指標はこのところ好悪混在し方向感が定まりません。3つめについては、ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠きましたが、金融機関の不良債権が実質的に減少するがどうかは不透明です。一方、米金融機関の公的資金返済や規制強化の動きは健全化の動きとしては評価できるものの、貸付の抑制につながる懸念から景気にはマイナスとの市場の見方が主流です。米国債の入札は好調で、長期金利が低下しドル安円高傾向となっています。
一方、中長期的に見ると、世界景気は減速の勢いは緩和されたものの、改善の気配を未だ見せておらず、輸出の低迷や雇用の減少傾向は世界的に続いています。2010年まで続くと言われる不動産価格の下落から、金融機関の不良債権増加懸念を払しょく出来ず、個人消費や企業の投資の為の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は30日、下落しました。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在2.97ドル)
一方、日経平均採用銘柄に関しては、3月決算発表も終わり、予想PERは41.7なりました。PBRは1.3となっています。
[今後の見通し]
日経平均は、NY Dowの下落率ほどは下げませんでした。結果、NY Dowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.7%(260円の割高)となっており、日経平均のプレミアムはプラス幅が若干縮小しました。プレミアム値は、ここ1週間は、+190円~+470円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、75日線、、9日線の、25日線、一目均衡表の雲の上に在ります。プレミアムはプラス幅はまだ大きく、為替に変化がなければ明日以降も米国市場の動きより下振れする可能性があります。
日本市場の短期トレンドは青信号で、窓埋めも達成しましたので、米国市場次第では、調整局面のから脱却の可能性は残されています。ただ、出来高が低水準である点、前回高値から、そろそろ1ヶ月を経過するなど6月12日の高値10171円を超える為にはエネルギー不足と言わざるをえません、今週中が正念場と思われます。米国の経済指標などで意外性を含んだ好材料が必要でしょう。
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