日経平均の予想: <20090428>日経平均の今後の見通し

Tuesday, April 28, 2009

<20090428>日経平均の今後の見通し

[市況]
27日、NYDowとNASDAQが下落したことを受けて、28日の日経平均先物は、前日比70円安で寄り付き前場に70円高まで上昇する場面もありましたが、後場は下落に転じ、最終的に240円安で引けました。日経平均は232円安で引け、寄り付き前の外国人は80万株の売り越しで、出来高は25.3億株と、増加しました。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が拡大し、個別銘柄に関しては、売りが有利な状態です。

27日の米国市場では、豚インフルエンザ懸念から、軟調に推移しました。旅行需要減や景気への影響が意識され、航空株や素材株が売られ、原油が軟調で、石油株の下落も目立ちました。一方、追加のリストラ策を発表したGMが上昇し、市場全体が上げに転じる場面もありました。薬品株も堅調でした。
28日の日本市場では、前場は前日終値を挟んだ動きだったが、午後にFRBがシティグループやバンカメに資本増強を要請すると報じられ、ストレステストの結果公表を控えて不透明感が高まりました。円高もあり、売りに拍車をかけました。

[テクニカル視点]
日経平均は、75日線の上にありますが、9日線の下に在り25日線も下回りましたので、短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。一方、日経平均の総合乖離率は-9.7%とマイナス幅が拡大し、200日線との乖離率は-12.4%とマイナス幅が拡大しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つの要素中、マイナスは2つですので、中期的トレンドには、黄信号が点っています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が6.9ポイント下にある状態となり、日本市場の割安幅は拡大しました。
NYDowは75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQも、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは引き続き黄信号です。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、現在は日本市場が7.6ポイント割高となっています。
市場は現在、「ビッグ3救済策」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、政府による承認はクライスラーは4月末、GMは5月末に延期されましたが、GMが追加再建計画を示し市場は一旦評価しました。クライスラーの再建策も期限が近付きました。2つめについては、米国の雇用状況には改善の兆しは見られないものの、経済指標はまちまちで過度な楽観論はなくなりつつあるようです。3つめに関してはFRBがシティグループやバンカメに資本増強を要請すると報じられ、5月4日の発表が重要性を増しました。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せていません。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、一旦後退してきたものの、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、企業の資金調達への悪影響や、銀行の損失拡大懸念をもたらしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は27日、若干下落しました。(3月安値1.02ドルに対し、現在3.07ドル)
一方、日経平均採用銘柄に関しては、今期欠損予想となり、予想PERは計算不能となりました。PBRは0.97となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、円高もあり、米国市場の下落率以上に下げました。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.8%(70円の割安)となっており、日経平均は、割安に転換しました。プレミアム値は、ここ1週間、-90円~+260円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は75日線、25日線、一目均衡表の雲の上に在りますが、9日線を下回りました。短期的には、青信号から黄信号に変わりました。
日経平均はとうとう25日線を割ってしまいました。9100円-8700円のレンジも下離れました。5月4日のストレステスト内容発表を待たずに、金融不安と豚インフルエンザ問題、クライスラー再建問題などが下振れ加速要因となりそうな気配です。ひとまず、75日線(8050円)までの下落が想定されます。



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