日経平均の予想: <20090406>日経平均の今後の見通し

Monday, April 06, 2009

<20090406>日経平均の今後の見通し

[市況]
3日、NYDowとNASDAQが上昇したことを受け、6日の日経平均先物は、前日比220円高で寄り付きました。前場は140円高まで上げ幅を縮めた後280円高まで上昇しました。後場は高値警戒感も出て、最終的に160円高で引けました。日経平均は108円高で引け、寄り付き前の外国人は10万株の売り越しで、出来高は26.4億株と、減少しました。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態ですが、ピークアウト感も出てきました。

3日の米国市場では、米雇用統計が前月比66万3000人減少し、失業率は8.5%と約25年ぶりの水準に上昇したものの市場予想の範囲内でした。非製造業景況感指数が前月から低下し、予想も下回ったことで利益確定売りが出る場面がありましたが、このところ景気や住宅関連で予想を上回る指標が目立つことから、景気底入れ期待を背景に底堅い展開が続きました。
6日の日本市場では、米市場が続伸したうえ、円が下落し、輸出関連のハイテク株が値上がりしました。しかし、日経平均は急ピッチで上昇していたため上値では戻り待ちの売りが増え、後場に入ると指数は伸び悩みました。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線、25日線、75日線の上にありますので、短期トレンドは青信号が点っています。一方、日経平均の総合乖離率は+9.3%とプラス幅が拡大し、200日線との乖離率は-12.3%とマイナス幅は縮小しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つの要素中、マイナスは1つとなりましたので、中期的トレンドには、黄信号が点っています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が1.4ポイント上にある状態となり、日本市場は割高幅が拡大しました。
NYDowは、9日線、25日線、75日線の上に在り、一目均衡表の雲の中に在ります。NASDAQは、75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に抜けました。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号です。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、長らく日本市場が割安であることを示していましたが、このところ日本企業のPERが急激に悪化しているため、現在は日本市場が4.3ポイント割高となっています。
市場は現在、「ビッグ3救済策」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMとクライスラーの改革案は不十分で、政府による承認はクライスラーは4月末、GMは5月末に延期されました。2つめについては、米国の雇用状況には改善の兆しは見られないものの、景気の改善を示す経済指標が多く出始め金融サミットも市場の評価を得たようです。3つめに関して、今回のガイトナー財務長官のバッドバンク構想詳細発表は金融安定化への期待で市場心理の改善につながっているようです。時価会計の一部緩和も一時的には株価にプラスに働きました。今後は銀行の第一四半期の決算とストレステストの結果に関心が集まるものと思われます。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せていません。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、一旦後退してきたものの、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、企業の資金調達への悪影響や、銀行の損失拡大懸念をもたらしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は3日、上昇しました(3月安値1.02ドルに対し、現在2.85ドル)。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、今期予想増益率が-90.7%、予想PERが107.3、PBRが0.99となっています。PBRが1.0を割っているため、超長期的には買い場が到来していると言ってよさそうです。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の上昇に連動して上昇しました。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.2%(30円割安)となっており、日経平均は割安に転換しました。プレミアム値は、ここ1週間、-160円~+320円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は75日線、25日線、9日線の上にありますが、一目均衡表の雲の中に在ります。短期的には、青信号です。米国市場では雇用統計は厳しい内容ながら予想の範囲内として上昇しまし、日本市場も連動しましたが、プレミアムは無くなっています。結果、25日線との乖離率が12.0%となり、まだ上げ過ぎのレベルです。日経平均は高値を更新しましたが、ドル換算では高値は抜けておらず、一目均衡表の雲の上にもまだ出ていませんので、ドルベースではまだ強気に転換はできません。



ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。
下のボタンをクリック!

世界の市場のリアルチャートはこちら=>世界の市場のリアルチャート

注目銘柄、日経平均チャートについてはYS総合研究所HPも参考にしてください。