[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場は景気悪化の改善と金融サミットや時価会計変更を評価して上昇し、高値を更新しました。今週は、貿易統計や在庫統計などの経済指標の評価次第では株価上昇が急なだけに反動売りも出やすいと思われます。一方、中長期的には、世界同時不況と、不動産価格の下げ傾向は今後も続くと思われます。ただ、ヘッジファンドの売り圧力は、一旦は峠を越えたようです。そのような中で、2009年のGDP伸率予測値考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は4.4ポイント割高となりました。先週と比べ割高度は0.1ポイント増加しました。日本市場は米国市場に比べ企業利益の減少率が著しく、日経平均のPERは106.0でS&P500のPERが14.3と比べると、ファンダメンタル的に大きな差が有ることが割高の原因です。
[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2009年GDP予測値(現在-0.1%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
①先週は上昇しましたが、今週はもみ合いとなりそうです。
②決算発表の結果、日経225採用銘柄の今期予想増益率は世界景気の下ぶれにより7月中旬の-2.3%から-90.7%の減益予想に大きく悪化しました。先週も、若干悪化しました。
③長期金利は上昇傾向で、日米の金利差は1.4%前後と変化はないものの、為替は98-100円台と円安方向に変化しました。今週は、98-102円台が想定されます。
④昨年11月初旬に、OECDによる日米の2009年のGDP伸び率予測値が修正され日本が-0.1%となり、米国は-0.9%となりましたので、この面では日本市場にとって0.8ポイント強気材料となりました。
⑤外人は3月4週は売り越しでした。4月1週は買い越しだったようです。今週も同じ傾向が続くと思われます。
5つのポイントのうち先週は①と円安が強気材料でした。今週も①⑤と為替がキーポイントと思われます。
[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、0.1ポイント割高となり、先週比1.0ポイント割高に変化しました。一目均衡表では、雲の上に在り、200日移動平均線乖離率は-13.7%となり先週と比較してマイナス幅は2.3ポイント縮小し、総合乖離率は+6.1%となりプラス幅が2.4ポイント縮小しました。2つがプラスですので中期上昇トレンドは、"黄信号"が点灯しています。日経平均は25日線、9日線の上に在りますので短期的には"青信号"ですが、25日線との乖離率は11.4%で過熱感があります。
米国市場ではNY Dowは25日線、9日線の上に在りますが、一目均衡表の雲の中に在ります。Nasdaqは一目均衡表の雲と25日線、9日線の上に在りますので、短期的には"青信号"ですが中期的には"黄信号"が点灯しています。
[今週の見通し]
先週の週初は75日線に向かって、一旦は調整しましたが、75日線を割らずに上昇に転じました。調整幅は限定的で強い動きが続きました。その結果、日米とも25日線との乖離率が、過熱感を示す10%前後と高いままですので、今週は、週初の動きに注目したいと思います。週初に直近高値を抜くようですと、暫くは上昇パターンが継続する可能性が高いと思われまが、高値を抜けない場合は暫くは揉み合いとなりそうです。
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