日経平均の予想: <20090403>日経平均の今後の見通し

Friday, April 03, 2009

<20090403>日経平均の今後の見通し

[市況]
2日、NYDowとNASDAQが大幅上昇したことを受け、3日の日経平均先物は、前日比210円高で寄り付きましたが、その後は警戒感もでて徐々に上げ幅を縮小する展開となり、最終的に40円高で引けました。日経平均は30円高で引け、寄り付き前の外国人は1820万株の買い越しで、出来高は29.4億株と、高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態ですが、ピークアウト感も出てきました。

2日の米国市場では、製造業や住宅関連の経済指標の好転で景気底入れ期待が出ていたところに、金融サミットでの財政出動の表明やIMFの融資枠拡大で合意したことで、景況感が一段と好転しました。又、米財務会計基準審議会が時価会計の一部緩和を決定したことで、金融機関の評価損圧縮が見込めるとの見方が広がり、銀行株や証券株などが堅調に推移しました。
3日の日本市場では、朝方は、米市場が大幅上昇したことや、円が下落したことが相場の押し上げ要因となり、自動車や電機など輸出関連株が買われましたが、短期的な過熱感が指摘される中で、今夜の3月の米雇用統計発表を控え、週末の利益確定の売りが相場の重しとなり、後場は軟調な展開となりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線、25日線、75日線の上にありますので、短期トレンドは青信号が点っています。一方、日経平均の総合乖離率は+6.1%とプラス幅が拡大し、200日線との乖離率は-13.6%とマイナス幅は縮小しました。一目均衡表では雲の上に出ました。3つの要素中、マイナスは1つとなりましたので、中期的トレンドには、黄信号が点っています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.1ポイント上にある状態となり、日本市場は割高幅が縮小しました。
NYDowは、9日線、25日線の上に在り、一目均衡表の雲の中に入り、75日線を上回りました。NASDAQは、75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に抜けました。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号です。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、長らく日本市場が割安であることを示していましたが、このところ日本企業のPERが急激に悪化しているため、現在は日本市場が4.4ポイント割高となっています。
市場は現在、「ビッグ3救済策」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMとクライスラーの改革案は不十分で、政府による承認はクライスラーは4月末、GMは5月末に延期されました。2つめについては、米国の雇用状況には改善の兆しは見られないものの、景気の改善を示す経済指標が多く出始め金融サミットも市場の評価を得たようです。3つめに関して、今回のガイトナー財務長官のバッドバンク構想詳細発表は金融安定化への期待で市場心理の改善につながっているようです。時価会計の一部緩和も一時的には株価にプラスに働きました。今後は銀行の第一四半期の決算とストレステストの結果に関心が集まるものと思われます。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せていません。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、一旦後退してきたものの、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、企業の資金調達への悪影響や、銀行の損失拡大懸念をもたらしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は2日、上昇しました(3月安値1.02ドルに対し、現在2.74ドル)。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、今期予想増益率が-90.6%、予想PERが105.0、PBRが0.97となっています。PBRが1.0を割っているため、超長期的には買い場が到来していると言ってよさそうです。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の上昇率ほどは上昇しませんでした。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.3%(30円割安)となっており、日経平均は割安に転換しました。プレミアム値は、ここ1週間、-160円~+400円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は75日線、25日線、9日線の上にありますが、一目均衡表の雲の中に入り、短期的には、青信号です。米国市場は金融サミットや時価会計緩和を好感し大幅上昇しましたが、日本市場は素直には連動せず、プレミアムが無くなりました。結果、25日線との乖離率が11.4%となり、まだ上げ過ぎのレベルです。3/27の高値8843円をザラ場で上回わりましたが、まだ強気に転換はできません。目先はもみ合い、又は、弱含みが予想されます。



ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。
下のボタンをクリック!

世界の市場のリアルチャートはこちら=>世界の市場のリアルチャート

注目銘柄、日経平均チャートについてはYS総合研究所HPも参考にしてください。