日経平均の予想: <20090407>日経平均の今後の見通し

Tuesday, April 07, 2009

<20090407>日経平均の今後の見通し

[市況]
6日、NYDowとNASDAQが下落したことを受け、7日の日経平均先物は、前日比20円安で寄り付きました。前場は100円安まで売られましたが、その後は売り買い交錯し、最終的に20円安で引けました。日経平均は25円安で引け、寄り付き前の外国人は50万株の買い越しで、出来高は22.8億株と、減少しました。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態ですが、ピークアウト感も出てきました。

6日の米国市場では、NYDowが節目の8000ドルに到達した達成感もあって利益確定売りが優勢となりました。アナリストの厳しい見方が伝わった大手銀行株が売りに押され、米メディアがIBMによる買収提案を拒否したと報じたサン・マイクロシステムズが急落するなどハイテク株の一角が軟調となりましたが、最近の市場心理は改善していることから、下値では押し目買いも入り株価指数は下げ渋りました。
7日の日本市場では、方向感の乏しい相場でした。短期的な過熱感が意識され心理的な節目の9000円接近で買い控え感が強まったようです。米市場が下落したことも重しとなりましたが、追加の景気対策による景況感の改善期待が相場を支えた面もあるようです。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線、25日線、75日線の上にありますので、短期トレンドは青信号が点っています。一方、日経平均の総合乖離率は+7.7%とプラス幅が縮小し、200日線との乖離率は-12.3%とマイナス幅は変わりませんでした。一目均衡表では雲の上に在ります。3つの要素中、マイナスは1つとなりましたので、中期的トレンドには、黄信号が点っています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が1.1ポイント上にある状態となり、日本市場は割高幅が縮小しました。
NYDowは、9日線、25日線、75日線の上に在り、一目均衡表の雲の中に在ります。NASDAQは、75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号です。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、長らく日本市場が割安であることを示していましたが、このところ日本企業のPERが急激に悪化しているため、現在は日本市場が3.9ポイント割高となっています。
市場は現在、「ビッグ3救済策」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMとクライスラーの改革案は不十分で、政府による承認はクライスラーは4月末、GMは5月末に延期されました。2つめについては、米国の雇用状況には改善の兆しは見られないものの、景気の改善を示す経済指標が多く出始め金融サミットも市場の評価を得たようです。3つめに関して、今回のガイトナー財務長官のバッドバンク構想詳細発表は金融安定化への期待で市場心理の改善につながっているようです。時価会計の一部緩和も一時的には株価にプラスに働きました。今後は銀行の第一四半期の決算とストレステストの結果に関心が集まるものと思われます。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せていません。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、一旦後退してきたものの、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、企業の資金調達への悪影響や、銀行の損失拡大懸念をもたらしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は6日、下落しました(3月安値1.02ドルに対し、現在2.72ドル)。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、今期予想増益率が-90.7%、予想PERが106.0、PBRが0.98となっています。PBRが1.0を割っているため、超長期的には買い場が到来していると言ってよさそうです。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の下落に連動して下落しました。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.2%(20円割高)となっており、日経平均は変化に乏しい中、割高に転換しました。プレミアム値は、ここ1週間、-160円~+320円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は75日線、25日線、9日線の上にありますが、一目均衡表の雲の上限に在ります。短期的には、青信号です。日・米国市場とも目先の達成感の後に一服し、揉み合っています。結果、日経平均の25日線との乖離率は10.8%で、まだ上げ過ぎのレベルです。日経平均は高値を更新しましたが、ドル換算では高値は抜けておらず、一目均衡表の雲の上にもまだ明確には出ていませんので、ドルベースではまだ強気に転換はできません。弱含みのもみ合いが続きそうです。



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