日経平均の予想: <20090421>日経平均の今後の見通し

Tuesday, April 21, 2009

<20090421>日経平均の今後の見通し

[市況]
20日、NYDowとNASDAQが大幅下落したことを受けて、20日の日経平均先物は、前日比240円安で寄り付き前場は320円安まで下落する場面もありましたが、後場は持ち直し、最終的に160円安で引けました。日経平均は213円安で引け、寄り付き前の外国人は1080万株の売り越しで、出来高は24.2億株と、低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス転換しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

20日の米国市場では、バンカメが発表した1-3月期決算は、メリルリンチの買収に伴う市場取引部門の好調などで市場予想を上回ったものの、貸倒引当金が前年同期から2.2倍に拡大したことで、先行き不安が広がり、金融株に売りが波及しました。原油が急落し、エネルギー関連株や素材株が売られました。大手金融機関のストレステストで、非常に厳しい結果になるとのうわさが一部で出たことも売りを誘い、NYDowは290ドル下げ安値圏で終えました。
21日の日本市場では、米市場が急落したことや円が97円台に上昇したことが嫌気されました。輸出関連株に売りが膨らみ、取引時間中では15日以来となる8600円台に一時下げましたが、午後にGLOBEXの米株価指数先物が上昇に転じたことが買い戻しを誘い、下げ幅は徐々に縮まりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、75日線の上にありますが9日線を下回りましたので、短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。一方、日経平均の総合乖離率は-2.3%とマイナスに転換し、200日線との乖離率は-11.3%とマイナス幅が拡大しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つの要素中、マイナスは2つとなりましたので、中期的トレンドには、黄信号が点っています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.9ポイント下にある状態となり、日本市場の割安幅は縮小しました。
NYDowは75日線、25日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在りますが、9日線を下回りました。NASDAQも、75日線、25日線、一目均衡表の雲の上に在りますが、9日線を下回りました。米国市場の短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。中期トレンドは引き続き黄信号です。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、現在は日本市場が7.4ポイント割高となっています。
市場は現在、「ビッグ3救済策」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMとクライスラーの改革案は不十分で、政府による承認はクライスラーは4月末、GMは5月末に延期されましたが、米政府がGMに対し連邦破産法の適用を申請する準備に取りかかるよう指示との報道がありました。2つめについては、米国の雇用状況には改善の兆しは見られないものの、経済指標はまちまちで過度な楽観論はなくなりつつあるようです。3つめに関しては「近くストレステストの一部公表」と報じられ厳しい結果との警戒感も出てきたようです。時価会計の緩和措置の影響も確認したいところです。金融機関の決算発表も内容次第で影響がありそうですがバンカメの決算は貸倒引当金増大が悪材料となりました。。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せていません。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、一旦後退してきたものの、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、企業の資金調達への悪影響や、銀行の損失拡大懸念をもたらしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は20日、下落しました(3月安値1.02ドルに対し、現在2.94ドル)。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、今期予想増益率が-95.4%予想PERが214.6、PBRが0.99となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、結局米国市場の下落率ほどは下げませんでした。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.2%(180円の割高)となっており、日経平均は、割高に転換しました。プレミアム値は、ここ1週間、-130円~+230円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は75日線、25日線の上にあり、一目均衡表の雲の上に在りますが、9日線を下回りました。短期的には、青信号から黄信号に変わりました。
日経平均の終値は9100円-8700円のレンジ内で25日線が下値支持となりましたので、下離れとは言えませんが、取引時間中に15日の直近安値8681円を割りましたので、要注意となりました。25日線との乖離率は1.5%となりました、9日線を下回ってきましたので、ここからは25日線を終値で下回るかどうかに注目する必要がありそうでが、いづれにせよ、GM問題やストレステストの結果がはっきりするまでは、上下に大きくは動かないと思われます。



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