日経平均の予想: <20090422>日経平均の今後の見通し

Wednesday, April 22, 2009

<20090422>日経平均の今後の見通し

[市況]
21日、NYDowとNASDAQが上昇したことを受けて、22日の日経平均先物は、前日比30円高で寄り付き後場始めに70円安まで下落する場面もありましたが、その後は持ち直し、最終的に20円安で引けました。日経平均は15円高で引け、寄り付き前の外国人は510万株の売り越しで、出来高は25.9億株と、増加しました。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

21日の米国市場では、キャタピラーが決算で収益見通しの引き下げを発表したことが、業績への懸念を誘い、朝方は市場は売りが優勢でした。ガイトナー長官が議会証言で「大部分の銀行は必要以上の資本を備えている」と述べたと伝わり、ストレステストの結果に対する警戒感がやや後退し金融株が買われました。前日に下げが目立った銘柄にも買い戻しが広がりました。
22日の日本市場では、金融不安緩和で米市場が上昇したことを好感したものの、日経平均は昨日の下げが小さかった分、あまり上昇しませんでした。しかし、個別銘柄物色の回転が効いていることもあり、下値では押し目買いが入ったようです。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、75日線の上にありますが9日線の下に在りますので、短期トレンドは黄信号です。一方、日経平均の総合乖離率は-1.9%とマイナス幅が縮小し、200日線との乖離率は-10.9%とマイナス幅が縮小しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つの要素中、マイナスは2つとなりましたので、中期的トレンドには、黄信号が点っています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が2.7ポイント下にある状態となり、日本市場の割安幅は拡大しました。
NYDowは75日線、25日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在りますが、9日線の下に在ります。NASDAQも、75日線、25日線、一目均衡表の雲の上に在りますが、9日線の下に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドは引き続き黄信号です。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、現在は日本市場が7.4ポイント割高となっています。
市場は現在、「ビッグ3救済策」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMとクライスラーの改革案は不十分で、政府による承認はクライスラーは4月末、GMは5月末に延期されましたが、米政府がGMに対し連邦破産法の適用を申請する準備に取りかかるよう指示との報道がありました。2つめについては、米国の雇用状況には改善の兆しは見られないものの、経済指標はまちまちで過度な楽観論はなくなりつつあるようです。3つめに関しては「近くストレステストの一部公表」と報じられ厳しい結果との警戒感も出てきたようですが、ガイトナー長官は「大部分の銀行は必要以上の資本を備えている」と述べるなど強弱両方の材料が市場に影響を与えています。金融機関の決算発表は一段落したようです。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せていません。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、一旦後退してきたものの、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、企業の資金調達への悪影響や、銀行の損失拡大懸念をもたらしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は21日、上昇しました(3月安値1.02ドルに対し、現在3.23ドル)。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、今期予想増益率が-95.4%予想PERが216.2、PBRが0.98となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、昨日のプレミアム分、米国市場の上昇率ほどは上げませんでした。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.3%(20円の割高)となっており、日経平均は、割高に転換しました。プレミアム値は、ここ1週間、-130円~+230円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は75日線、25日線の上にあり、一目均衡表の雲の上に在りますが、9日線の下に在ります。短期的には、黄信号です。
日経平均は今日も9100円-8700円のレンジ内で終わりました。25日線との乖離率は1.4%となりました、まだ9日線を下回っていますので、引き続き25日線を終値で下回るかどうかに注目する必要がありますが、GM問題やストレステストの結果がはっきりするまでは、上下に大きくは動かないのでないかと思われます。



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