[市況]
13日、NYDowは下落しNASDAQは小幅上昇しました。14日の日経平均先物は、前日比90円高で寄り付きましたが、前場は140円安まで売られましたが、後場に若干戻し、最終的に40円安で引けました。日経平均は81円安で引け、寄り付き前の外国人は1430万株の売り越しで、出来高は27.3億株と、低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。
13日の米国市場では、米政府がGMに対し連邦破産法の適用を申請する準備に取りかかるよう指示したと報じられたことで、売りが膨らみ、GMは16%安とNYDowの足を引っ張りましたが、米銀大手シティグループは25%高、バンカメが15%高となるなど金融株が堅調でした。
14日の日本市場では、朝方は9000円近辺で上値が重く、利益確定売りに押されました。GMの破産法適用申請の観測に加え、円が99円台に上昇したことで、トヨタやホンダなど自動車株に利益確定売りが出ました。米ゴールドマン・サックスが好決算を発表しましたが、想定通りと受け止められ、相場への影響は限定的でした。
[テクニカル視点]
日経平均は、9日線、25日線、75日線の上にありますので、短期トレンドは青信号が点灯しています。一方、日経平均の総合乖離率は+4.8%とプラス幅が縮小し、200日線との乖離率は-11.1%とマイナス幅が拡大しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つの要素中、マイナスは1つとなりましたので、中期的トレンドには、黄信号が点っています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が2.3ポイント下にある状態となり、日本市場は割安幅が拡大しました。
NYDowは、9日線、25日線、75日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQも、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号です。中期トレンドは引き続き黄信号です。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、現在は日本市場が7.5ポイント割高となっています。
市場は現在、「ビッグ3救済策」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMとクライスラーの改革案は不十分で、政府による承認はクライスラーは4月末、GMは5月末に延期されましたが、米政府がGMに対し連邦破産法の適用を申請する準備に取りかかるよう指示との報道がありました。2つめについては、米国の雇用状況には改善の兆しは見られないものの、景気の改善を示す経済指標が多く出始め楽観論が出てきました。3つめに関しては「ストレステストに米金融19行がすべて合格する」と報じられ米国市場は評価したようですが、時価会計の緩和措置の影響だとすると、何時までも不良債権が償却できないと言う、素直には喜べない面もありそうです。投資銀行の決算発表が注目されます。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せていません。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、一旦後退してきたものの、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、企業の資金調達への悪影響や、銀行の損失拡大懸念をもたらしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は13日、上昇しました(3月安値1.02ドルに対し、現在3.80ドル)。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、今期予想増益率が-94.43%予想PERが178.5、PBRが1.0となっています。
[今後の見通し]
日経平均は、米国市場が軟調な展開だった為、弱含みに推移しました。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.7%(70円の割安)となっており、日経平均は、割安幅が縮小しました。プレミアム値は、ここ1週間、-170円~+270円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は75日線、25日線、9日線の上にあり、一目均衡表の雲の上に在ります。短期的には、青信号です。
ここ数日、日経平均は上値の重い展開が続いています。25日線との乖離率は6.6%で、まだ利益確定売りが出やすい水準です。ここからは、米経済指標と決算の結果で、9100円-8700円のレンジのどちらかに抜けた方について行くのが良策と思いますが、下離れの可能性が高いと思います。
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