日経平均の予想: <20090226>日経平均の今後の見通し

Thursday, February 26, 2009

<20090226>日経平均の今後の見通し

[市況]
25日のNY DowとNASDAQが下落したことを受けて、日経平均先物は20円安で寄り付きましたが、前場に120円高もありましたが、その後は軟調に推移し、結局50円安で引けました。日経平均は3円安でした。寄付き前の外人は900万株の売り越しで、出来高は20.5億株と低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅が縮小しましたが、個別銘柄は"売り"が有利な状況です。
25日の米国株式市場では、オバマ大統領の議会演説に、経済政策について目新しい発言がなかったこともあり、朝方から利益確定売りが先行しました。1月の中古住宅販売件数が市場予想に反して減少したことも市場心理を悪化させました。米金融当局が、大手行の資本状況を審査するストレステストについての詳細を発表したことで、発表直後の相場は売りで反応しましたが、バンカメCEOが、楽観的な見方を示したと伝わったことも支援材料となり、厳格な検査により不透明要因のひとつが解消されるとの見方も徐々に浸透し、ダウ平均は小幅高に転じる場面もありました。
26日の日本市場では、円安や政府による株価対策発動への期待や、公的資金などの買い観測を背景に前場は堅調に推移しましたが、後場は26日発表される1月の米新築住宅販売件数や、国内であす発表の1月の鉱工業生産指数や失業率などの内容を見極めたいとして、次第に買い手控えムードが強まり、指数を押し下げました。

[テクニカル視点]
日経平均は、下落し、75日線、25日線、9日線の下に在りますので、短期トレンドは"赤信号"です。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-45.4%とマイナス幅は若干縮小し、200日線との乖離率も-31.6%とマイナス幅が若干縮小しましたが、3つがマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が3.7ポイント下回るレベルとなり、割安度は縮小しました。
NY Dowは、25日は下落し、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の下に在ります。Nasdaqも、一目均衡表の雲、75日線、25日線、9日線の下にありますので、米国市場の短期トレンドは、"赤信号"です。中期トレンドも、"赤信号"です。

[ファンダメンタル視点]
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差は、長期間、日本市場が割安でしたが、このところの日本企業のPERの急激な悪化で、日本市場が4.3ポイント割高となっています。市場テーマである①ビッグ3救済問題、②世界的な実態経済の急速な悪化と効果的な景気対策、③金融機関の損失拡大による金融危機再燃。という課題のうち①は、GMとクライスラーの改革案が提出されましたので、今後は破産法11条適用など中身の議論となりそうですが、政府の対応が注目されます、収束するか否かは不透明です。②については急激な景気悪化を示す懸念材料が止まりませんが、景気対策法案はようやく可決され大統領もサインし成立しましたが、保護主義的な動きの有無が市場の懸念材料です。③については、オバマ政権の金融安定化策が銀行に対するストレステストの実施に焦点があたり一定の市場評価を得たようです。しかし、結果次第では金融不安の再燃もありそうです。一方、中長期的に見ると、世界景気の減速がいつ収まるかは不透明で、ヘッジファンドを中心とする外人の売り圧力は当面続きそうです。加えて、市場は不動産価格も2010年までは下げが続くと見ているようですので、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響はまだまだ根深そうです。先安感はまだ残っていると思われます。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、25日は下落しました。(2月の安値1.95ドルに対して現在2.5ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-87.3%で、予想PERは68.6、PBRは0.87となりました。PBRは1.0を割り超長期投資としては買い場と思われます。

[今後の見通し]
日経平均は、結局円安進展はあまり評価されず、米国市場の下落につきあいました。その結果、ドルベース(為替考慮後)の終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-2.9%(250円の割安)となり割安幅は大幅に拡大しました。プレミアム値はここ1週間は-390~-10の範囲で動いています。海外投資家から見た日経平均の動きである、ドル換算チャートは、一目均衡表の雲、75日線、25日線、9日線の下に在り、短期的には"赤信号"です。日経平均は結局9日平均線(7500円近辺)を上回われず、すっきりしません。戻りの勢いは弱いようです。


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