日経平均の予想: <20090218>日経平均の今後の見通し

Wednesday, February 18, 2009

<20090218>日経平均の今後の見通し

[市況]
17日のNY DowとNASDAQが大幅下落したことを受けて、日経平均先物は160円安で寄り付き、前場は80円安まで戻す場面もありましたが、後場は軟調な展開でしたが、引け際に上昇し、結局60円安で引けました。日経平均は111円安でした。寄付き前の外人は1320万株の売り越しで、出来高は19.6億株と低水準ながら増加しました。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅が拡大し、個別銘柄は"売り"が有利な状況です。
17日の米国株式市場は、2月の製造業景気指数が-34.6と2001年の調査開始以来の最低となり、景気のさらなる下振れ懸念が強まりました。また、ムーディーズが東欧で事業展開する西欧金融機関の財務などへの懸念を指摘したことで、世界的な金融不安の高まりが意識されたことで、金融やエネルギー・セクターを中心に幅広く売られました。
18日の日本市場では、前日の米市場が大幅下落した流れで日経平均は安く始まりましたが、GMなどが米政府へ経営再建計画を提出し、目先の混乱は避けられたとして自動車株の一角に自律反発狙いの買いが入り国内の追加経済対策期待で建設株なども上昇しましたが、1月の米住宅着工件数や、米市場動向を見極めたいとして下げ渋って終わりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、下落し、75日線、25日線、9日線の下に在りますので、短期トレンドは"赤信号"です。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-46.9%とマイナス幅は拡大し、200日線との乖離率も-32.1%とマイナス幅は拡大しました。3つがマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が5.7ポイント下回るレベルとなり、割安度は縮小しました。
NY Dowは、17日は下落し、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の下に在ります。Nasdaqは、一目均衡表の雲、75日線、25日線、9日線の下にありますので、米国市場の短期トレンドは、"赤信号"となりました。中期トレンドは、"赤信号"です。

[ファンダメンタル視点]
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差は、長期間、日本市場が割安でしたが、このところの日本企業のPERの急激な悪化で、日本市場が4.0ポイント割高となっています。市場テーマである①ビッグ3救済問題、②世界的な実態経済の急速な悪化と効果的な景気対策、③金融機関の損失拡大による金融危機再燃。という課題のうち①は、GMとクライスラーの改革案が提出されましたので、今後は中身の議論となりそうですが、政府の対応が注目されます、収束するか否かは不透明です。②については急激な景気悪化を示す懸念材料が止まりませんが、景気対策法案はようやく可決され大統領もサインし成立しましたが、保護主義的な動きの有無が市場の懸念材料です。③については、オバマ政権の金融安定化策が官民共同投資ファンドである点と不良資産の買い取り価格の決定方法など具体的な仕組みが示されなかった点を、市場は評価せず、今後の展開が懸念されます。一方、中長期的に見ると、世界景気の減速がいつ収まるかは不透明で、ヘッジファンドを中心とする外人の売り圧力は当面続きそうです。加えて、市場は不動産価格も2010年までは下げが続くと見ているようですので、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響はまだまだ根深そうです。先安感はまだ残っていると思われます。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、17日は下落しました。(1月の安値2.8ドルに対して現在3.06ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-87.2%で、予想PERは67.3、PBRは0.87となりました。PBRは1.0を割り超長期投資としては買い場と思われます。

[今後の見通し]
日経平均は、昨日、米国の下落を有る程度読んでいましたので、今日は下げ渋りました。その結果、ドルベース(為替考慮後)の終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-0.1%(10円の割安)となり割安幅は大幅に縮小しました。プレミアム値はここ1週間は-270~+20の範囲で動いています。日経平均の割安感はなくなりました。海外投資家から見た日経平均の動きである、ドル換算チャートは、一目均衡表の雲、75日線、25日線、9日線の下に在り、短期的には"赤信号"です。今日の下落で25日乖離率は5%を超え、サイコロジカルラインも25%となりましたので、新たなサプライズがなければ、いつ自律反発しても可笑しくありません。ここからの売りは慎重にする必要がありあそうです。


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