[市況]
9日のNY DowとNASDAQが小動きでしたが、日経平均先物は210円高で寄り付き、直後に230円高となりましたが、その後は、戻り売りに押され、結局40円高で引けました。日経平均は23円安でした。寄付き前の外人は590万株の買い越しながら、出来高は18.6億株と低水準となり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅が拡大し、個別銘柄は"売り"が有利な状況です。
9日の米国株式市場は、ガイトナー財務長官が金融安定化策の発表を10日に延期したことで、詳細を見極めたいとする市場参加者が多く、景気対策法案が10日にも上院で採決される見通しとなっていることも様子見ムードを強めました。ただ、バンカメなどの一部銀行株や、GEなどに値ごろ感から買いが続き、相場は高く推移する場面もありました。
10日の日本市場では、朝方は昨日の下げ過ぎから高く始まりましたが、日本時間11日未明に発表予定の米金融安定化策の内容や、それを受けた米市場を見極めたいとして買い手控えムードが強まりました。明日は祝日で休場となるため、投資家の動きは鈍く、方向感の乏しい相場でした。
[テクニカル視点]
日経平均は、下落し、75日線、25日線、9日線の下に在りますので、短期トレンドは"赤信号"です。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-37.7%とマイナス幅は変わらず、200日線との乖離率も-29.3%とマイナス幅は変わりませんでした。3つがマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が7.1ポイント下回るレベルとなり、割安度は拡大しました。
NY Dowは、上昇し、75日線、25日線、一目均衡表の雲の下に在りますが9日線の上にあります。Nasdaqは、一目均衡表の雲の上に抜け、9日線、25日線、75日線の上にありますので、米国市場の短期トレンドは、"黄信号"です。中期トレンドも、"黄信号"です。
[ファンダメンタル視点]
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差は、長期間、日本市場が割安でしたが、このところの日本企業のPERの急激な悪化で、日本市場が2.4ポイント割高となっています。市場テーマである①ビッグ3救済問題、②世界的な実態経済の急速な悪化と効果的な景気対策、③金融機関の損失拡大による金融危機再燃。という課題のうち①は、オバマ政権に持ち越されていますが、2/17の改革案の提出期限が近づいてきましたので、再び材料視されそうです。②については急激な景気悪化を示す懸念材料が止まりませんが、オバマ政権への期待感は強いものがあります。③については、日米主要企業の決算発表を終え業績内容の悪さが顕著ですが、まだ一巡したとは言えないようです。市場は、オバマ政権の金融安定化策と景気対策の行方を注視しているようです。一方、中長期的に見ると、世界景気の減速がいつ収まるかは不透明で、ヘッジファンドを中心とする外人の売り圧力は当面続きそうです。加えて、市場は不動産価格も2010年までは下げが続くと見ているようですので、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響はまだまだ根深そうです。先安感はまだ残っていると思われます。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、6日は上昇しました。(1月の安値2.8ドルに対して現在3.95ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-80.6%で、予想PERは46.6、PBRは0.91となりました。PBRは1.0を割り超長期投資としては買い場と思われます。
[今後の見通し]
日経平均は、昨日の米国安を折込んだ動きがハズレた分、上昇して始まったものの除々に値を下げました。その結果、ドルベース(為替考慮後)の終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-4.0%(330円の割安)となり若干割安幅が減少しました。プレミアム値はここ1週間は-380~+270の範囲で動いています。日経平均は、年初から、NY Dowと連動した動きにもどっていましたが、今日も割安方向に大きく乖離していますが、いずれ修正されると思われます。海外投資家から見た日経平均の動きである、ドル換算チャートは、一目均衡表の雲の下限にありますが、75日線、25日線、9日線の下に在り、短期的には"赤信号"です。米国市場はテクニカルにNasdaqが良い形になりつつありますが、日経平均は冴えない動きで、三角持合から抜けられません。休日明けには、1/29の高値8305円か2/2の安値7795円のどちらかを抜く動きになりそうです。
ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。
下のボタンをクリック!
世界の市場のリアルチャートはこちら=>世界の市場のリアルチャート
注目銘柄、日経平均チャートについてはYS総合研究所HPも参考にしてください。