[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場は雇用統計の悪化などの経済指標の悪化が景気刺激策の早期成立を促すとの見方につながり上昇して終えました。今週は9日の新金融支援策の市場評価が影響しそうですが、上昇に繋がる可能性が高そうです。一方、中長期的には、世界同時不況と、ヘッジファンドの売り圧力、不動産価格の下げ傾向に変化は見られません。そのような中で、2009年のGDP伸率予測値考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は1.9ポイント割高となりました。先週と比べ割高度は0.7ポイント増加しました。200日線乖離率差では、5.2ポイント割安となり、先週比3.5ポイント割安幅は拡大しましたので、日本市場は週始めは大幅高で始まりそうです。
[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2009年GDP予測値(現在-0.1%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
①先週は年初来安値を下回りましたが、週末に大きく反発しました。今週は25日線、75日線を上回れるかどうかに注目したいと思います。
②決算発表の結果、日経225採用銘柄の今期予想増益率は世界景気の下ぶれにより7月中旬の-2.3%から-73.3%の減益予想に悪化しました。先週も、悪化しました。
③長期金利は米国で若干もどし、日米の金利差は1.6%に拡大し、為替は89-91円台と円安ぎみに推移しました。今週も急激な円安は想定できないものの、急激な円高もなさそうです。
④11月初旬に、OECDによる日米の2009年のGDP伸び率予測値が修正され日本が-0.1%%となり、米国は-0.9%となりましたので、この面では日本市場にとって0.8ポイント強気材料となりました。
⑤外人は1月4週は売り越しで、2月1週は買い越だった可能性が高く、今週も買い越しが予想されます。
5つのポイントのうち先週は②が弱気材料でしたが①③が強気材料でした。今週も①と為替がキーポイントと思われます。
[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、一目均衡表では、雲の下に在り、200日移動平均線乖離率は-28.5%となり先週と比較してマイナス幅は1.5ポイント縮小し、総合乖離率は-34.8%となりマイナス幅は6.0ポイント縮小しましたが、3つともマイナスですので中期上昇トレンドは、"赤信号"のままです。日経平均は25日線の下に在りますが、9日線の上にありますので短期的には"黄信号"です。米国市場はNY Dowは一目均衡表の雲と25日線の下に在りますが、9日線の上にあります。Nasdaqは25日線、9日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に抜けましたので、短期的には"黄信号"です。
[今週の見通し]
今週は、ファンダメンタル面では9日の新金融安定化策に注目が集まりそうです。テクニカル面では、Nasdaqが良い形になってきましたので、新金融安定化策の市場評価次第では大きく上昇する余地が有りそうです。一方、欧州の主要銀行決算発表が相次ぎ、内容の悪さからユーロ安、円高の流れが出て、輸出関連銘柄の頭を押さえる可能性に注意が必要です。
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