日経平均の予想: <20090225>日経平均の今後の見通し

Wednesday, February 25, 2009

<20090225>日経平均の今後の見通し

[市況]
24日のNY DowとNASDAQが大幅上昇したことを受けて、日経平均先物は170円高で寄り付きましたが、その後は軟調に推移し30円高まで売られる場面もありましたが、引け際に急速にもどし、結局190円高で引けました。日経平均は192円高でした。寄付き前の外人は1730万株の売り越しでしたが、出来高は22.3億株と低水準ながら増加し、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅が縮小しましたが、個別銘柄は"売り"が有利な状況です。
24日の米国株式市場では、2月の消費者信頼感指数が過去最低の25.0に低下、ケース・シラー住宅価格指数では下落率が過去最大となるなど、米景気の厳しさを示す指標が相次ぎましたが、値ごろ感からの買いとバーナンキFRB議長の定例議会証言で、景気回復には金融システム安定が不可欠と強調したことと米大手銀の国有化の必要性を否定する発言があったことで、国有化への懸念が後退し、銀行株が上げ幅を拡大し株価指数も大幅高となりました。
25日の日本市場では、円が午前に97円台と一段安となり、輸出関連株が買われました。ただ世界的な景気悪化に対する警戒感は根強く、寄り付き前に財務省が発表した1月の貿易統計で貿易赤字が過去最大になり、朝方の買い一巡後、日経平均はやや伸び悩んで推移しましたが、政府による株価対策検討への期待感が投資家心理を改善させ大引けにかけて急ピッチで上げ幅を広げました。

[テクニカル視点]
日経平均は、上昇しましたが、75日線、25日線、9日線の下に在りますので、短期トレンドは"赤信号"です。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-46.0%とマイナス幅は縮小し、200日線との乖離率も-31.8%とマイナス幅が縮小しましたが、3つがマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が4.5ポイント下回るレベルとなり、割安度は拡大しました。
NY Dowは、24日は上昇しましたが、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の下に在ります。Nasdaqも、一目均衡表の雲、75日線、25日線、9日線の下にありますので、米国市場の短期トレンドは、"赤信号"です。中期トレンドも、"赤信号"です。

[ファンダメンタル視点]
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差は、長期間、日本市場が割安でしたが、このところの日本企業のPERの急激な悪化で、日本市場が4.4ポイント割高となっています。市場テーマである①ビッグ3救済問題、②世界的な実態経済の急速な悪化と効果的な景気対策、③金融機関の損失拡大による金融危機再燃。という課題のうち①は、GMとクライスラーの改革案が提出されましたので、今後は破産法11条適用など中身の議論となりそうですが、政府の対応が注目されます、収束するか否かは不透明です。②については急激な景気悪化を示す懸念材料が止まりませんが、景気対策法案はようやく可決され大統領もサインし成立しましたが、保護主義的な動きの有無が市場の懸念材料です。③については、オバマ政権の金融安定化策が官民共同投資ファンドである点と不良資産の買い取り価格の決定方法など具体的な仕組みが示されなかった点を、市場は評価せず、一足飛びに、銀行の国有化議論になってきたようです。一方、中長期的に見ると、世界景気の減速がいつ収まるかは不透明で、ヘッジファンドを中心とする外人の売り圧力は当面続きそうです。加えて、市場は不動産価格も2010年までは下げが続くと見ているようですので、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響はまだまだ根深そうです。先安感はまだ残っていると思われます。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、24日も上昇しました。(2月の安値1.95ドルに対して現在2.6ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-87.3%で、予想PERは68.8、PBRは0.87となりました。PBRは1.0を割り超長期投資としては買い場と思われます。

[今後の見通し]
日経平均は、円安進展の割りにで米国市場の上昇率ほどは上げませんでした。その結果、ドルベース(為替考慮後)の終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-2.7%(230円の割安)となり割安幅は大幅に拡大しました。プレミアム値はここ1週間は-390~-10の範囲で動いています。海外投資家から見た日経平均の動きである、ドル換算チャートは、一目均衡表の雲、75日線、25日線、9日線の下に在り、短期的には"赤信号"です。日経平均はサイコロジカルライン、総合乖離率や25日乖離率、日柄的にも、いつ反転しても良いレベルに達していましたので、今日の上昇は自律反発と見ておいた方が良さそうです。米政府による米金融機関支援に著しい進展があるまでは本格反騰は期待できないと思います。目先は9日平均線(7500円近辺)を上回って上昇するかどうかに注目したいと思います。


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