[市況]
18日のNY DowとNASDAQは小動きでしたが、日経平均先物は40円高で寄り付き、前場は50円安まで売られる場面もありましたが、後場は小動きとなり、結局10円安で引けました。日経平均は23円高でした。寄付き前の外人は740万株の売り越しで、出来高は18.6億株と低水準ながら増加しました。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅が縮小しましたが、個別銘柄は"売り"が有利な状況です。
18日の米国株式市場は、NY Dowが昨年11月以来の安値を付けた後で、値ごろ感からの買いが入り安い環境の中、米政府が最大900万世帯を対象とする住宅ローン返済支援策を発表したことが相場を支えたようです。ただ、1月の住宅着工件数が過去最低水準を更新し、景気悪化や金融機関の財務に対する懸念は根強いことから、上値は重く、銀行株の一角への売りも続きました。
19日の日本市場では、円が93円台と1月上旬以来の水準まで下落したことで、輸出関連株の一角が買いを集めました。しかし、企業業績が一段と悪化していることから戻り待ちの売り圧力も強く、アジア株式相場が小動きだったこともあり朝高後は伸び悩みが鮮明でした。
[テクニカル視点]
日経平均は、小幅上昇しましたが、75日線、25日線、9日線の下に在りますので、短期トレンドは"赤信号"です。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-45.6%とマイナス幅は縮小し、200日線との乖離率も-31.7%とマイナス幅は縮小しましたが、3つがマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が5.3ポイント下回るレベルとなり、割安度は縮小しました。
NY Dowは、17日は小幅上昇しましたが、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の下に在ります。Nasdaqは、一目均衡表の雲、75日線、25日線、9日線の下にありますので、米国市場の短期トレンドは、"赤信号"です。中期トレンドも、"赤信号"です。
[ファンダメンタル視点]
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差は、長期間、日本市場が割安でしたが、このところの日本企業のPERの急激な悪化で、日本市場が3.9ポイント割高となっています。市場テーマである①ビッグ3救済問題、②世界的な実態経済の急速な悪化と効果的な景気対策、③金融機関の損失拡大による金融危機再燃。という課題のうち①は、GMとクライスラーの改革案が提出されましたので、今後は中身の議論となりそうですが、政府の対応が注目されます、収束するか否かは不透明です。②については急激な景気悪化を示す懸念材料が止まりませんが、景気対策法案はようやく可決され大統領もサインし成立しましたが、保護主義的な動きの有無が市場の懸念材料です。③については、オバマ政権の金融安定化策が官民共同投資ファンドである点と不良資産の買い取り価格の決定方法など具体的な仕組みが示されなかった点を、市場は評価せず、今後の展開が懸念されます。一方、中長期的に見ると、世界景気の減速がいつ収まるかは不透明で、ヘッジファンドを中心とする外人の売り圧力は当面続きそうです。加えて、市場は不動産価格も2010年までは下げが続くと見ているようですので、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響はまだまだ根深そうです。先安感はまだ残っていると思われます。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、18日は下落しました。(1月の安値2.8ドルに対して現在2.91ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-87.2%で、予想PERは67.3、PBRは0.87となりました。PBRは1.0を割り超長期投資としては買い場と思われます。
[今後の見通し]
日経平均は、円安にも関わらず米国の小動きを反映して小動きでした。その結果、ドルベース(為替考慮後)の終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-1.3%(120円の割安)となり割安幅は拡大しました。プレミアム値はここ1週間は-270~+20の範囲で動いています。日経平均はまた割安方向に乖離しました。海外投資家から見た日経平均の動きである、ドル換算チャートは、一目均衡表の雲、75日線、25日線、9日線の下に在り、短期的には"赤信号"です。日経平均は円安もあり、テクニカルに自律反発しやすかったものの、勢いがありません。銀行株の売りも止まらず、一段安も考慮にいれておく必要が出てきたようです。
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