日経平均の予想: <20090202>日経平均の今後の見通し

Monday, February 02, 2009

<20090202>日経平均の今後の見通し

[市況]
30日のNY DowとNASDAQが下落したことを受けて、日経平均先物は110円安で寄り付きましたが、前場は20円高まで戻しましたが、後場に再び下げ、結局70円安で引けました。日経平均は120円安でした。寄付き前の外人は1250万株の売り越しで、出来高は20.3億株と低水準で、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅が拡大し、個別銘柄は"売り"が有利な状況です。
30日の米国株式市場は、10-12月期の実質GDPが年率3.8%減と2期連続で減少したものの、市場予想の5.5%を下回ったことで、NY Dowは高く始まりました。その後、金融機関の不良資産を買い取るバッドバンク設立作業が難航していると報じられたことや、低調な企業業績への失望感から米景気の厳しさが改めて意識され売りが優勢となりました。
2日の日本市場では、前週末の米市場が下落したことや、主力企業の業績悪化も嫌気され、朝方に7800円を割り込むと、値ごろ感などから前引けにかけて下げ渋りましたが、香港株などの下落や円高・ユーロ安といった外部環境を警戒して再び下落しました。。

[テクニカル視点]
日経平均は、下落し、75日線、25日線の下に在り、9日線も割りましたので、短期トレンドは"赤信号"となりました。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-44.0%とマイナス幅が拡大し、200日線との乖離率も-30.9%とマイナス幅が拡大しました。3つがマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差は、長期間、日本市場が割安でしたが、このところの日本企業のPERの悪化と米国の長期金利の低下により、日本市場が0.7ポイント割高となりました。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が2.6ポイント下回るレベルとなり、割安度は縮小しました。
NY Dowは、下落し、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の下に在ります。Nasdaqは、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の下に在りますので、米国市場の短期トレンドは、"赤信号"となりました。中期トレンドは、引き続き"赤信号"です。

[ファンダメンタル視点]
日米市場とも経済指標と企業業績の一段の悪化で下落しました。市場テーマである①ビッグ3救済問題、②世界的な実態経済の急速な悪化と効果的な景気対策、③金融機関の損失拡大による金融危機再燃。という課題のうち①は、政府の支援内容は繋なぎ策のみで、判断はオバマ政権に持ち越され一旦は落着いています。②については急激な景気悪化を示す懸念材料が止まりませんが、オバマ政権への期待感は強いものがあります。③については、日米主要企業の決算発表を終え業績内容の悪さが顕著ですが、まだ一巡したとは言えないようです。市場は、実態悪とオバマ政権への期待が交互に材料視されています。一方、中長期的に見ると、世界景気の減速がいつ収まるかは不透明で、ヘッジファンドを中心とする外人の売り圧力は当面続きそうです。加えて、市場は不動産価格も2010年までは下げが続くと見ているようですので、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響はまだまだ根深そうです。先安感はまだ残っていると思われます。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、30日は下落しました。(1月の安値2.8ドルに対して現在3.6ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-53.4%で、予想PERは19.3、PBRは0.91となりました。PBRは1.0を割り超長期投資としては買い場と思われます。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の下落率ほどは下げませんでした。その結果、ドルベース(為替考慮後)の終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは+0.6%(60円の割安)となり割安幅が縮小しました。プレミアム値はここ1週間は-280~+80の範囲で動いています。海外投資家から見た日経平均の動きである、ドル換算チャートは、75日線、25日線の下に在り、9日線と、一目均衡表の雲の下にでましたので、短期的には"赤信号"となりました。日経平均は、年初から、NY Dowと連動した動きにもどっています。ここ数日の日経平均の売られすぎが修正され、NY Dowと同水準に戻した感じです。日経平均は、25日線に届かずに下落し、9日線も割ってしまいましたのでテクニカルにもファンダメンタルにも良いところがありません。NY Dowが7900ドルを割るようですと、日経平均も一段安を覚悟しなければならないようです。


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