[市況]
12日のNY Dowは小幅安でNASDAQが小幅高だったことを受けて、日経平均先物は20円高で寄り付き、前場に40円安となる場面もありましたが、後場にかけて、130円高まで買われました。引けにかけて売りもどされ、結局10円高で引けました。日経平均は74円高でした。寄付き前の外人は680万株の売り越しで、出来高は19.8億株と低水準となりましたが、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅が縮小しましたが、個別銘柄は"売り"が有利な状況です。
12日の米国株式市場は、金融安定化策が具体性に乏しかったことが引き続き重しとなり、金融株を中心に売り先行で始まり、NY Dowの下げ幅は一時200ドルを超えましたが、午後に米メディアが米当局が住宅所有者のローン支払いについて助成金を与えることを計画していると報じると、この報道をきっかけに幅広い銘柄に買い戻しが入り、急速に下げ渋りました。
13日の日本市場では、米市場が急速に下げ渋った流れを引き継いぎ、前日までの下げで日経平均は年初来の安値水準であることからや、円安もあり、買いが入りやすい面がありました。しかし、日経平均は後場、16日発表の10―12月期の実質GDPは年率換算2ケタのマイナス成長が予想されるなど、景気悪化への警戒感が根強く、積極的な買いもありませんでした。
[テクニカル視点]
日経平均は、上昇し、75日線、25日線、9日線の下に在りますので、短期トレンドは"赤信号"です。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-41.1%とマイナス幅は縮小し、200日線との乖離率も-30.5%とマイナス幅は縮小しました。3つがマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が6.1ポイント下回るレベルとなり、割安度は縮小しました。
NY Dowは、下落し、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の下に在ります。Nasdaqは、一目均衡表の雲、75日線の下にありますが、9日線、25日線の上にありますので、米国市場の短期トレンドは、"黄信号"です。中期トレンドは、"赤信号"です。
[ファンダメンタル視点]
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差は、長期間、日本市場が割安でしたが、このところの日本企業のPERの急激な悪化で、日本市場が3.2ポイント割高となっています。市場テーマである①ビッグ3救済問題、②世界的な実態経済の急速な悪化と効果的な景気対策、③金融機関の損失拡大による金融危機再燃。という課題のうち①は、オバマ政権に持ち越されていますが、2/17の改革案の提出期限が近づいてきましたので、再び材料視されそうです。②については急激な景気悪化を示す懸念材料が止まらず、米上下院で景気対策法案がようやく一本化され可決へ向かいそうですが、保護主義的な法案になりそうなところが市場の懸念材料です。③については、オバマ政権の金融安定化策が官民共同投資ファンドである点と不良資産の買い取り価格の決定方法など具体的な仕組みが示されなかった点を、市場は評価していないようです。一方、中長期的に見ると、世界景気の減速がいつ収まるかは不透明で、ヘッジファンドを中心とする外人の売り圧力は当面続きそうです。加えて、市場は不動産価格も2010年までは下げが続くと見ているようですので、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響はまだまだ根深そうです。先安感はまだ残っていると思われます。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、12日は下落しました。(1月の安値2.8ドルに対して現在3.6ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-89.9%で、予想PERは59.3、PBRは0.89となりました。PBRは1.0を割り超長期投資としては買い場と思われます。
[今後の見通し]
日経平均は、米国の引け際の上昇を引き継ぎ上昇しました。その結果、ドルベース(為替考慮後)の終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-1.6%(140円の割安)となり割安幅が拡大しました。プレミアム値はここ1週間は-380~-10の範囲で動いています。日経平均は、割安方向に乖離しています。海外投資家から見た日経平均の動きである、ドル換算チャートは、一目均衡表の雲、75日線、25日線、9日線の下に在り、短期的には"赤信号"です。三角持合を下離れして、テクニカルには日米とも良くありませんが、25日線の乖離率拡大もあり、目先は買われました。当面、1/26日の安値7671円を終値を割るか否かを見極める必要があります。
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