[市況]
3日のNY DowとNASDAQが上昇したことを受けて、日経平均先物は40円高で寄り付き、その後も堅調な動きとなりました。後場中頃に一時320円高もありましたが、結局240円高で引けました。日経平均は213円高でした。寄付き前の外人は510万株の売り越しで、出来高は20.4億株と低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅が縮小しましたが、個別銘柄は"売り"が有利な状況です。
3日の米国株式市場は、12月の仮契約住宅販売指数は前月比6.3%増と市場予想の0.5%減に反して増加し、住宅市場が底入れに近づいているとの期待が出たことや、製薬大手メルクが発表した決算が市場予想を上回ったことも好感されました。NY Dowが前日に昨年11月以来の安値を付けたことで、値ごろ感からの買い戻しも入りやすかったこともあり、上昇しました。一方、金融株は下げが目立ちました。
4日の日本市場では、朝方からじりじりと上値を切り上げる展開が続き、ここ3日間の下落幅425円の5割を戻しました。日銀による銀行保有株の買い入れや、エルピーダの公的資金受け入れ観測をきっかけに、売りが手控えられたようです。ただ、米国の追加景気対策が早期に成立するか不透明なことや、週末には米雇用統計の発表を控え、出来高はさほど増加せず、買戻し中心だったようです。
[テクニカル視点]
日経平均は、上昇し、75日線、25日線、下に在りますが9日線を抜きましたので、短期トレンドは"黄信号"となりました。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-37.5%とマイナス幅が縮小し、200日線との乖離率も-29.2%とマイナス幅が縮小しました。3つがマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差は、長期間、日本市場が割安でしたが、このところの日本企業のPERの急激な悪化で、日本市場が1.9ポイント割高となりました。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が3.0ポイント下回るレベルとなり、割安度は縮小しました。
NY Dowは、上昇しましたが、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の下に在ります。Nasdaqは、75日線、25日線、一目均衡表の雲の下に在りますが9日線を抜きましたので、米国市場の短期トレンドは、"黄信号"となりました。中期トレンドは、引き続き"赤信号"です。
[ファンダメンタル視点]
米市場は予想外の住宅指標で上昇しました。市場テーマである①ビッグ3救済問題、②世界的な実態経済の急速な悪化と効果的な景気対策、③金融機関の損失拡大による金融危機再燃。という課題のうち①は、オバマ政権に持ち越されていますが、2/17の改革案の提出期限が近づいてきましたので、再び材料視されそうです。②については急激な景気悪化を示す懸念材料が止まりませんが、オバマ政権への期待感は強いものがあります。③については、日米主要企業の決算発表を終え業績内容の悪さが顕著ですが、まだ一巡したとは言えないようです。市場は、実態悪とオバマ政権への期待が交互に材料視されています。一方、中長期的に見ると、世界景気の減速がいつ収まるかは不透明で、ヘッジファンドを中心とする外人の売り圧力は当面続きそうです。加えて、市場は不動産価格も2010年までは下げが続くと見ているようですので、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響はまだまだ根深そうです。先安感はまだ残っていると思われます。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、3日は下落しました。(1月の安値2.8ドルに対して現在3.5ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-64.3%で、予想PERは26.5、PBRは0.91となりました。PBRは1.0を割り超長期投資としては買い場と思われます。
[今後の見通し]
日経平均は、NY Dowの上昇率以上に上昇しました。その結果、ドルベース(為替考慮後)の終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは+1.0%(80円の割高)となり割高に転換しました。プレミアム値はここ1週間は-260~+260の範囲で動いています。海外投資家から見た日経平均の動きである、ドル換算チャートは、75日線、25日線の下に在りにますが、9日線を抜き、一目均衡表の雲の中に入りましたので、短期的には"黄信号"となりました。日経平均は、年初から、NY Dowと連動した動きにもどっています。米国市場に好材料がでて、日経平均は、9日線を抜きましたのでテクニカルには少し期待がでてきましたが、ファンダメンタルには週末の雇用統計待ちとなりそうです。日経平均は三角持合に入りましたので、1/29の高値8305円か2/2の安値7795円のどちらかを抜いたほうについて行くのがセオリーでしょう。
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