日経平均の予想: <20090209>日経平均の今後の見通し

Monday, February 09, 2009

<20090209>日経平均の今後の見通し

[市況]
6日のNY DowとNASDAQが大幅上昇したことを受けて、日経平均先物は190円高で寄り付き、前場に210円高まで上昇しましたが、その後は、戻り売りに押され、結局150円安で引けました。日経平均は107円安でした。寄付き前の外人は510万株の売り越しで、出来高は19.1億株と低水準となり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅が拡大し、個別銘柄は"売り"が有利な状況です。
6日の米国株式市場は、新たな金融安定化策が週明けにも発表される見通しやバンカメの国有化懸念が後退し大幅高となったことなどから、金融株が堅調な動きとなりました。1月の米雇用統計で減少幅は約34年ぶりの大きさとなりましたが、景気刺激策の早期成立を促すとの見方につながり、むしろ相場の押し上げ要因になったようです。
9日の日本市場では、米政府の金融安定化策に対する期待感が相場を支えたが、発表が10日にづれるとの報道で、実効性に乏しい内容になるとの警戒感が優勢となり、大引けにかけて売りが膨らみました。円安進行が一服したことも戻り待ちの売りにつながる要因となりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、下落し、75日線、25日線の下に在り、9日線を割りましたので、短期トレンドは"赤信号"となりました。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-37.7%とマイナス幅が拡大し、200日線との乖離率も-29.3%とマイナス幅が拡大しました。3つがマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が6.0ポイント下回るレベルとなり、割安度は拡大しました。
NY Dowは、上昇し、75日線、25日線、一目均衡表の雲の下に在りますが9日線を抜きました。Nasdaqは、75日線、の下にありますが、一目均衡表の雲の上に抜け、9日線、25日線の上にありますので、米国市場の短期トレンドは、"黄信号"です。中期トレンドも、"黄信号"です。

[ファンダメンタル視点]
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差は、長期間、日本市場が割安でしたが、このところの日本企業のPERの急激な悪化で、日本市場が1.8ポイント割高となっています。市場テーマである①ビッグ3救済問題、②世界的な実態経済の急速な悪化と効果的な景気対策、③金融機関の損失拡大による金融危機再燃。という課題のうち①は、オバマ政権に持ち越されていますが、2/17の改革案の提出期限が近づいてきましたので、再び材料視されそうです。②については急激な景気悪化を示す懸念材料が止まりませんが、オバマ政権への期待感は強いものがあります。③については、日米主要企業の決算発表を終え業績内容の悪さが顕著ですが、まだ一巡したとは言えないようです。市場は、オバマ政権の金融安定化策を注視しているようです。一方、中長期的に見ると、世界景気の減速がいつ収まるかは不透明で、ヘッジファンドを中心とする外人の売り圧力は当面続きそうです。加えて、市場は不動産価格も2010年までは下げが続くと見ているようですので、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響はまだまだ根深そうです。先安感はまだ残っていると思われます。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、6日は上昇しました。(1月の安値2.8ドルに対して現在3.9ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-74.6%で、予想PERは35.6、PBRは0.91となりました。PBRは1.0を割り超長期投資としては買い場と思われます。

[今後の見通し]
日経平均は、NY Dowの上昇にも関わらず、円安一服と、今夜の米国安を読んで反落しました。その結果、ドルベース(為替考慮後)の終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-4.4%(370円の割安)となり割安に転換しました。プレミアム値はここ1週間は-380~+270の範囲で動いています。日経平均は、年初から、NY Dowと連動した動きにもどっていましたが、今日は割安方向に大きく乖離しました。海外投資家から見た日経平均の動きである、ドル換算チャートは、一目均衡表の雲の中にありますが、75日線、25日線、9日線の下に在り、短期的には"赤信号"です。米国市場はテクニカルにNasdaqが良い形になりつつありますが、日本市場ではバッドバンク構想に懸念が出て日経平均は冴えない動きです。やはり、日経平均は三角持合に入っていますので、1/29の高値8305円か2/2の安値7795円のどちらかを抜いたほうについて行く方針は守った方が良いように思います。


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