[市況]
23日のNYSEとNASDAQが下落したことを受けて、日経平均先物は前日比50円ほど安く寄り付きましたが、前場は下落し一時190円安までありましたが、その後は徐々に値を上げ、結局70円高で引けました。出来高は20.4億株と低水準ながら、寄付き前の外人は1150万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス転換し、個別銘柄は"売り"が有利な状況となりました。
23日の米国株式市場では、朝方は買われたものの、バーナンキFRB議長、ポールソン財務長官の議会証言を受けて、金融安定化法案の成立が期待ほど円滑に進まないのではとの見方から売りが優勢となりました。GM,GEが下げ、原油安から資源関連も下落しましたが、総じて方向感に乏しい展開でした。
24日の日本市場では、米政府の金融安定化策の具体的な中身を見たいとして、買い手控えムードが広がる中、日経平均は前場に下げ幅を広げる場面があっものの、後場に入ると先物主導で日経平均は下げ渋りました。モルガン・スタンレーへの出資を決めた三菱UFJやリーマンの海外事業を買収する野村が上げ幅を広げ、ゴールドマン・サックスの増資を発表も支援材料になったようです。
[テクニカル視点]
日経平均は上昇し、75日線、25日線の下に在りますが、9日線の上に在り、"黄信号"となりました。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-20.6%とマイナス幅は縮小し、200日線との乖離率も-10.6%とマイナス幅が縮小しましが、3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度は1.4ポイントと割安度は縮小しました。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.8ポイント下回わるレベルとなり、売られ過度は大幅に縮小しました。
NY Dowは、大幅下落し、75日線、25日線、9日線の下に在り、一目均衡表の雲の下に在ります。Nasdaqも、75日線、25日線、9日線の下に在り、一目均衡表の雲の下に在ります。米国市場の短期トレンドは"赤信号"となり、中期トレンドも、"赤信号"です。
[ファンダメンタル視点]
米国市場では金融安定化策はすんなり決まらず下落しましが。金融機関の自己資本の充実に向けた材料が出てきた点は評価できると思います。しかし、中長期的に見ると、世界景気の減速懸念は払拭されておらず、加えて、不動産価格は下げ止まったとは言えず、投資銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうですので、6月の高値を抜くにはさらに時間がかかりそうです。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。市場の関心は10月中旬の欧米主要銀行の決算に移ると思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、23日は若干下落しました。(9月安値14.0ドルに対して現在20.0ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-7.5%で、予想PERは14.9となりました。
[今後の見通し]
日本市場はMUFGと野村の動き評価し、米国市場安にも拘らず強い動きとなりました。その結果、ドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは+3.8%(+460円)とかなり割高となりました。ドル換算チャートでは、25日線の下に在り、9日線を抜きましたが、まだ下落基調です。米市場は25日線まで戻した後売られています。日本市場は今夜の米国市場高を読んで、下げ渋ったのか、日本の実力を見直したのか、一過性か、明日の動きを見たいところです。でも結局、目先は不良債権整理公社構想の中身と今週発表の経済指標次第と思われます。
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