[市況]
29日のNYSEとNASDAQが大幅下落したことを受けて、日経平均は前日比130円ほど安く寄り付き、その後も軟調に推移し、結局238円安で引けました。寄付き前の外人は200万株の売り越しで、出来高は13.4億株と低水準となり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス転換し、個別銘柄は"売り"が有利な状況となりました。
29日の米国株式市場では、7月の個人消費支出は前月比0.2%増と前月の0.6%増から縮小し、個人所得も0.7%減少しました。一方、8月の消費者態度指数は予想を上回り、シカゴ購買部協会景気指数も前月から大幅に上昇するなど、経済指標は強弱まちまちでしたが、デルの急落や半導体株指数が2.8%安などハイテク株が軟調となり、ハリケーンに発達で原油が高く推移したこともマイナス要因となりました。
1日の日本市場では、前週末の米国市場が反落したことを受け輸出関連株を中心に主力株に売りが出て、さらに後場に入ると、香港株式市場が大幅下落するなどアジア株の軟調さが意識され、下げ幅が拡大しました。
[テクニカル視点]
日経平均は75日線の下に在り、9日線の上に在りますが、25日線を割りましたので、短期的には"黄信号"となりました。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-13.1%とマイナス幅は拡大し、200日線との乖離率も-6.8%とマイナス幅が拡大しました。3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度は2.6ポイントと変化ありませんが、テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が4.7ポイント下回わるレベルとなり、売られ過度は若干縮小しました。
NY Dowは、下落し、75日線の下に在りますが、まだ、9日線、25日線の上で、一目均衡表の雲の中に在ります。Nasdaqは200日線、75日線、9日線の下に在り、一目均衡表の雲の上限と25日線まで下げました。米国市場の短期トレンドは"黄信号"となり、中期トレンドも、引き続き"黄信号"です。
[ファンダメンタル視点]
米国市場はハリケーンによる原油高とハイテク株安で下げ、短期上昇トレンドに水を指す形になりました。また、今後もしばらく不動産下落は続きそうですので、中長期的に見ると、金融機関の破綻懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。6月の高値を抜くには、さらなる公的資金を活用した破綻懸念の払拭策が必須と思われますが8月中は議会も夏休みの為、動きはなさそうです。ここからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、29日も若干上昇しました。(7月安値14.0ドルに対して現在19.0ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-6.0%で、予想PERは15.6となりました。
[今後の見通し]
日本市場は米国安で、さらに円高に推移したにもかかわらず、下げ率は米国市場並みでした。その結果、ドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-1.2%(-160円)と割安度は縮小しました。ドル換算チャートでは、9日線の上に在り、25日線を若干下回りましたが、目先の上昇転換はまだ崩れていません。休日明けの米国市場と5日の米雇用統計は気になるところですが、日本市場は下げのエネルギーより上げのエネルギーが勝っているように思われますので、今回の上昇はしばらく続く可能性はまだ有りそうです。
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