日経平均の予想: <080919>日経平均の今後の見通し

Friday, September 19, 2008

<080919>日経平均の今後の見通し

[市況]
18日のNYSEとNASDAQが大幅上昇したことを受けて、日経平均先物は前日比340円ほど安く寄り付き、前場は70円ほど下げた後は、終日堅調な動きとなり、結局470円高で引けました。寄付き前の外人は850万株の売り越しながら、出来高は26.3億株と増加いし、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅が大幅縮小し、個別銘柄は"売り"が有利ながら、ボトムアウト感があります。
18日の米国株式市場では、各国中銀が協調してドル資金を自国市場に供給する対策を発表したことで、銀行株などに買いが入ったものの、投資銀行大手モルガン・スタンレーやゴールドマン・サックスが急落するなど、金融不安は根強く、主な株価指数は下げに転じる場面がありました。午後に政府が不良債権買い取りへ向け、整理信託公社のような組織の設立を検討していると報じられると、銀行株を中心に株価指数は大幅高で終了しました。
19日の日本市場では、米政府による金融安定化策へ期待が高まり、円安も進み金融株や輸出関連株を中心に幅広い銘柄が上昇しました。アジア市場が上昇し、GLOBEXで米株価指数先物が堅調に推移したことで後場も日経平均は一段高となりました。

[テクニカル視点]
日経平均は大きく上げましたが、75日線、25日線、9日線の下に在り、短期的には、まだ"赤信号"です。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-26.3%とマイナス幅は縮小し、200日線との乖離率も-12.2%とマイナス幅が縮小しましが、3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度は1.1ポイントと割安度は縮小しました。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が4.1ポイント下回わるレベルとなり、売られ過度は拡大しました。
NY Dowは、大幅上昇しましたが、75日線、25日線、9日線の下に在ります。Nasdaqも、75日線、9日線、25日線、一目均衡表の雲の下に在り、米国市場の短期トレンドはまだ"赤信号"で、中期トレンドも、"赤信号"です。

[ファンダメンタル視点]
米国市場では不良債権整理公社構想報道で大幅に戻しました。しかし、金融機関は自己資本の充実が必要であり、この構想だけでは問題解決にはなりそうもありません。さらに、中長期的に見ると、世界景気の減速懸念は高まると思われ、加えて、不動産価格は下げ止まったとは言えず、投資銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうですので、6月の高値を抜くにはさらに時間がかかりそうです。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。市場の関心は10月中旬の欧米主要銀行の決算に移ると思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、18日は大幅上昇しました。(9月安値14.0ドルに対して現在16.6ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-6.9%で、予想PERは13.7となりました。

[今後の見通し]
日本市場は米国市場の大幅高や円安に振れた割には上昇幅は小さかったようです。その結果、ドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-0.7%(-100円)と若干割安となりました。ドル換算チャートでは、25日線、9日線の下に在り、まだ。まだ下落基調です。米市場のVIX指数(恐怖指数)は1月、3月の安値時を超え、売られ過ぎを示していましたので、不良債権整理公社構想はリバウンドへの好材料となりましたが、今のところは売られ過ぎの訂正と見ておいた方が無難でしょう。リーマン破綻連鎖の影響を見極める為にはしばらく時間が必要と思います。


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