[市況]
15日のNYSEとNASDAQが大幅下落したことを受けて、日経平均先物は前日比600円ほど安く寄り付き、前場は若干買い戻されることもありましたが、膠着感のある動きでした。後場には一段安となる場面もありましたが、結局590円安で引けました。寄付き前の外人は2210万株の買い越しで、出来高は26.1億株と増加し、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅が1000を超え、個別銘柄は"売り"が有利ながら、売られ過ぎの状況です。
15日の米国株式市場では、リーマンの連邦破産法11条の適用申請で金融不安が強まり、同時テロ以来の大幅安となりました。AIGは6割下落、バンカメは2割安、ワシントン・ミューチュアルも2割超下げました。
16日の日本市場では、取引開始直後から売り注文が殺到しました。特に、損失拡大がどこまで広がるか見えない状況の金融株への売りが膨らみました。ドル安や米景気後退懸念から国際優良株が売られ、商品相場が下落したことで、商社や資源関連株も大きく売られました。
[テクニカル視点]
日経平均は下げ、75日線、25日線、9日線の下に在り、年初来安値を更新し、短期的には"赤信号"です。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-35.7%とマイナス幅は拡大し、200日線との乖離率も-14.8%とマイナス幅が拡大縮小しました。3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度は1.5ポイントと変化はありませんが、テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が4.5ポイント下回わるレベルとなり、売られ過度は拡大しました。
NY Dowは、大幅下落し、75日線、25日線の下に在り、9日線を割り、一目均衡表の雲の下に抜け、7月安値に接近しています。Nasdaqも、75日線、9日線、25日線、一目均衡表の雲の下に在り、7月安値に接近しています。米国市場の短期トレンドは"赤信号"となり、中期トレンドも、"赤信号"です。
[ファンダメンタル視点]
米国市場はリーマンの破綻で大幅に下落しました。当面、世界全体の金融システムへの影響懸念が主テーマに復帰しました、当然、世界景気の減速懸念は高まると思われます。さらに、中長期的に見ると、不動産価格は下げ止まったとは言えず、投資銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうですので、6月の高値を抜くにはまだ時間がかかりそうです。次の対策は利下げが議論になりそうです。米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、15日も大幅下落しました。(7月安値14.0ドルに対して現在15.2ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-6.9%で、予想PERは14.0となりました。
[今後の見通し]
日本市場は米市場の大幅下げと円高で大きく下げました。その結果、ドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-0.1%(-10円)と割安感はなくなりました。ドル換算チャートでは、25日線、9日線の下に在り、今日も新安値となりました。大きく突っ込みましたので、リバウンドが期待できると思いますが、早めに利食いすると云う投資スタンスが有効と思います。情勢は流動的ですので、今日の安値を割れば損切も考えておく必要もありそうです。
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