[市況]
1日のNYSEとNASDAQは休場でしたが、日経平均は前日比50円ほど安く寄り付き、前場は上げに転じ一時前日比90円ほど高くなる場面もありましたが、後場急落し、結局224円安で引けました。寄付き前の外人は480万株の売り越しで、出来高は18.8億株と増加したものの低水準で、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅を拡大し、個別銘柄は"売り"が有利な状況です。
1日の米国株式市場は、レイバーデイで休場でした。
2日の日本市場では、前場は前日の反動で上げる場面もありましたが、後場に入ると先物主導で一時は心理的な節目の12500円を割り込み、下げ幅が300円を超えました。福田首相の辞任を材料にした欧州系証券による先物の仕掛け売りが出てストップロスの売りを巻き込んで一段安になったよです。
[テクニカル視点]
日経平均は75日線、25日線の下に在り、9日線と直近安値を割りましたので、短期的には"赤信号"となりました。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-17.7%とマイナス幅は拡大し、200日線との乖離率も-8.4%とマイナス幅が拡大しました。3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度は2.8ポイントに拡大しました。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が6.3ポイント下回わるレベルとなり、売られ過度は大幅に拡大しました。
NY Dowは、下落し、75日線の下に在りますが、まだ、9日線、25日線の上で、一目均衡表の雲の中に在ります。Nasdaqは200日線、75日線、9日線の下に在り、一目均衡表の雲の上限と25日線まで下げました。米国市場の短期トレンドは"黄信号"で、中期トレンドも、引き続き"黄信号"です。
[ファンダメンタル視点]
米国市場は休場でしたがハリケーン被害は軽微だったようで原油は下げました。今夜の株価指数にはプラスに働きそうです。しかし、今後もしばらく不動産下落は続きそうですので、中長期的に見ると、金融機関の破綻懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。6月の高値を抜くには、さらなる公的資金を活用した破綻懸念の払拭策が必須と思われますが、当面は米証券会社の四半期決算に注目が集まるものと思います。ここからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、29日も若干上昇しました。(7月安値14.0ドルに対して現在19.0ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-6.0%で、予想PERは15.3となりました。
[今後の見通し]
日本市場は先物の仕掛け売りにより大きく下げました。その結果、ドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-2.2%(-280円)と割安度は拡大しました。ドル換算チャートでは、25日線の下に在り、9日線を割りましたので、目先は下降トレンド転換となりましたが、直近安値の更新とはなりませんでした。今日の下げは先物主導の仕掛け的な売りですので、一過性とも考えられますが、テクニカルにはまたボトムを探る展開となりました。
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