[市況]
8日のNYSEとASDAQは上昇しましたが、日経平均は前日比90円ほど安く寄り付き、前場はさらに値を下げ。後場も軟調な展開となり、結局223円安で引けました。出来高は17.9億株と低水準で、寄付き前の外人は650万株の売り越しとなり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅を拡大し、個別銘柄は"売り"が有利な状況です。
8日の米国株式市場では、米政府は住宅公社2社への公的資金注入に伴い、住宅ローン金利の安定化などを狙い、住宅ローン担保証券を市場から買い取る方針も明らかにし、金融株や住宅関連株などが大幅高となりましたが、S&Pが両公社の優先株格付けを引き下げた為、一部金融株が売りに押される場面もみられました。また、世界景気の減速懸念やドルの上昇基調から、NASDAQのハイテク株は上値が重かったようです。
9日の日本市場では、米市場の反応から世界景気後退懸念が意識され、アジア株安、円高もあり、ハイテクや商社、鉄鋼、海運株などを中心に売られました。
[テクニカル視点]
日経平均は大幅上昇したものの75日線、25日線、9日線の下に在りますので、短期的には"赤信号"です。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-20.9%とマイナス幅は拡大し、200日線との乖離率も-9.4%とマイナス幅が拡大しました。3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度は1.4ポイントに拡大し、テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が3.6ポイント下回わるレベルとなり、売られ過度は拡大しました。
NY Dowは、上昇しましたが、75日線の下に在り、9日線を抜き、25日線まで上昇し、一目均衡表の雲の中に入りました。Nasdaqは200日線、75日線、9日線、25日線の下に在り、一目均衡表の雲の下に在ります。米国市場の短期トレンドは"黄信号"となりましたが、中期トレンドは、"赤信号"です。
[ファンダメンタル視点]
米国市場は住宅保証公社への公的資金投入を好感した買いで上げましたが、NASDQの上昇は限定的で、改めて金融不安だけでなく、世界景気の減速が悪材料で有る事を確認した形です。さらに、中長期的に見ると、不動産価格は下げ止まったとは言えず、投資銀行の破綻懸念と企業の資金調達への影響は根深そうですので、6月の高値を抜くにはまだ材料不足のようです。次は米証券会社の四半期決算に注目が集まるものと思います。ここからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、8日は上昇しました。(7月安値14.0ドルに対して現在20.3ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-6.0%で、予想PERは15.1となりました。
[今後の見通し]
日本市場は米国市場の状況から昨日は大幅に上げすぎと判断したようです。、円高に振れたこともありドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-2.1%(-270円)と割安に戻りました。ドル換算チャートでは、25日線、9日線の下に在り、下げトレンドは変わりません。米国市場の状況から日経平均が2番底を打ったと考えるのは、早計のようです。下げトレンドでは、テクニカルにボトム圏を示していれば突っ込みで買い、リバウンドすれば早めに売ると云う投資スタンスが有効でしょう。
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