[市況]
5日のNYSEは上昇しNASDAQは小幅下落しましたが、日経平均は前日比250円ほど高く寄り付き、前場は前日比460円ほど上げる場面がありました。後場も高値圏を維持し、結局412円高で引けました。出来高は19.8億株と低水準で、寄付き前の外人は520万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅を大幅に縮小し、個別銘柄は"売り"が有利な状況ですが、ボトムアウト感が出てきました。
5日の米国株式市場では、朝方発表の雇用統計は雇用者数が前月比84,000人減と市場予想の75,000人減を上回り、失業率が前月の5.7%から6.1%に急上昇したことで、寄付きの相場は売り優勢でした。ノキアが7-9月期の携帯電話の世界市場でのシェアが4-6月期に比べ低下すると発表したことなどで、ハイテク株の重しとなりました。ただ、金融株が買い戻され相場を押し上げたため、NY Dowは上げに転じて終えました。
8日の日本市場では、米財務省が7日、住宅保証公社の優先株を公的資金で買い上げて資本増強すると発表したことを受けて、金融株や資源関連を中心大幅に反発、円安に振れたこともあり輸出関連株も上昇しました。
[テクニカル視点]
日経平均は大幅上昇したものの75日線、25日線、9日線の下に在りますので、短期的にはまだ"赤信号"です。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-15.6%とマイナス幅は縮小し、200日線との乖離率も-7.9%とマイナス幅が縮小しましたが、3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度は1.3ポイントと大幅縮小し、テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が1.5ポイント下回わるレベルとなり、売られ過度は大幅に縮小しました。
NY Dowは、上昇しましたが、75日線、25日線、9日線の下に在り、一目均衡表の雲の下に在ります。Nasdaqは200日線、75日線、9日線、25日線の下に在り、一目均衡表の雲の下に在ります。米国市場の短期トレンドは"赤信号"で、中期トレンドも、"赤信号"です。
[ファンダメンタル視点]
米国市場は先週、雇用悪化懸念が連日材料視され、大きく下げました。米財務省が7日、住宅保証公社への公的資金を活用した破綻懸念の払拭策が発表されましたので、当面、米国市場がどの程度反発するかを見る必要が有りそうです。しかし、中長期的に見ると、不動産価格は下げ止まったとは言えず、投資銀行の破綻懸念と企業の資金調達への影響は根深そうですので、6月の高値を抜けるかどうかが問題です。次は米証券会社の四半期決算に注目が集まるものと思います。ここからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、5日は上昇しました。(7月安値14.0ドルに対して現在19.1ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-6.0%で、予想PERは15.1となりました。
[今後の見通し]
日本市場は大幅に上昇し、円安に振れたこともありドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは+1.2%(+150円)と逆に割高となりました。ドル換算チャートでは、25日線、9日線の下に在り、今日も年初来安値更新となりました。日経平均は、テクニカルにはボトム圏を示していましたので、好材料のニュースには素直に反応した形となりました。2番底を打ったかどうかはまだ判りませんが、とりあえず25日線まで(今日現在12890円)の戻りは期待できそうです。
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